狼と狐
宇野さんの問題に解く事ができるのか。
「問題です···。その前に探偵君、『狼と狐』の話知ってる?」
宇野さんが横を向きながら言った。
「知ってるよ。卓越した推理力で難問を解いていく狼と化け力で難問をぶつけていく狐の話でしょ」
「その話、私達と似てない?」
「つまり僕が狼で、宇野さんが狐って事」
「ご名答」
宇野さんは珍しく嬉しそうに言った。
「ではその狐から問題を出すね。ある女の子が午後の授業中に突然倒れたの。そして保健室につれていって。そこでじん麻疹を発症してアレルギー反応が出て結局この授業は休みになったの。女の子はどうして倒れたのかを推理してみて」
僕は腕を組み考え始めた。
(午後にアレルギーが出たのだから、恐らくその前の給食に原因があると思う。)
宇野さんは考えている僕を嬉しそうに見ている。
「この日の給食って何が出たの?」
「えっとカレーライスと牛乳そしてスイーツにチョコレートだったと思う」
やっぱりこの中に原因があった。
「分かったよ宇野さん。アレルギーの原因はチョコレートだったんだね。そして時間差で来たのは牛乳を飲んだから。ここで重要なのは摂取する順番。まず先に牛乳を飲む、この時牛乳の膜ができる。そしてチョコレートを噛まずに飲み込む。仕上げにまた牛乳を少し飲む。あとはチョコが胃の中で溶けるのを待つだけ」
「やっぱり探偵君いや平戸くんは凄いね。こんな短時間で解くなんて。でもね、こういう事をしたのには理由があったの。女の子はこの後の体育の授業が苦手だったからこうせざるを得なかった。それだけは分かって欲しいと私は思う」
宇野さんは真剣な眼差しで言った。
気付けば夕暮れになっていた。宇野さんは行きたい店があると僕を誘った。
「パティスリーアリスって言って、ここのケーキ美味しいの」
宇野さんはそう言ってチョコとイチゴのショートケーキを頼んだ。
それらが運ばれた瞬間、僕はすかさずチョコの方を取った。
「ありがとう。やっぱり平戸くん優しいね。でも、もう大丈夫。私これ食べれるから」
宇野さんはそう言ってチョコケーキを口に運んだ。
「やっぱ美味しいこれ」
二人の距離が少し縮まった。




