20話 翌日自宅にて 9
さぁ、いよいよ本題ですよ!
と思ったのですが、
『-------,------------------------?』
「誠に恐れ入りますが、このお部屋の防音はどれくらいのものでしょうか?」
とセパシウスさん。……引っ張ります。
「防音…ですか?」
『---』
「はい」
う~ん。改築したときにある程度の‘おしゃべり’は想定して、外に音が響きにくくなるようにはしたけれど、音楽室ほどきちんとした防音処置はしていない。
そう答えると、セパシウスさんはちょっと考え込む素振りを見せた。
『~~~,~~~~~~~~~~~~~~~~?』
そんなセパシウスさんに、公子サマが変わらずもの柔らかな口調で何事か言う。
わかりましたという感じで公子サマに頷くと、今度は私に向かって談話室から外へ行く構造について尋ねてきた。
談話室から外へでる場合は3通り。
一つは今私たちが入ってきた外へ直接繋がっている扉。
次に竈の間への扉を出て、竈の間から外へ出る勝手口。
最後は変則的だけれど、竈の間から台所を通って玄関。……最後のルートはあまり使わないけれど。
他にも無理矢理探そうとすれば、縁側からとか窓からとかいろいろあるだろうけれど……そこまで訊いてませんよね?
私の説明を聞くと、護衛の人たちに何か伝えるセパシウスさん。
護衛さんたちは頷くと、談話室の二つの扉にそれぞれ向かっていく。
どうするのかと思ったら、
『--------,---------------,-------』
「無いとは思いますが、私どもの話を聞かれないよう、表を見張らせます」
と説明してくれるセパシウスさん。
え~っと……
「どんだけ人に聞かれちゃマズい話を聞かせる気なんだよ」
ボソリと呟く祥くん。
……ですよねぇ。
『~~~~~~,~~~~~~~』
「大袈裟で申し訳ありません」
祥くんの言葉が分かったかのように、申し訳なさそうな笑みで謝る公子サマ。
『---------------------』
「用心はし過ぎるに越したことはございません」
反駁するセパシウスさん。
だから、そこまで用心が必要な内容を私たちが聞いても良いのでしょうか??
どんな話を聞かされるのか考えると顔がひきつりそうな気が……。
と、そこへ。
ガラリ。
表への引き戸が開けられる音が耳に飛び込んできた。
右を見ると護衛さんの一人が表に出ていくのが目に入る。
そう言えばさっき‘表を見張らせる’って……
ワンワンワンワンワンワンワンワンワン!
次の瞬間、庭に響く犬――ムゥくんの吠え声。
あ~、やっちゃいました!
うちのワンコたちのうち、シィさんはあまり吠えない。おとなしいというわけではなくて、吠えずにいきなりガブリといくタイプ。…これはこれで危ないけれど。
吠えるのはムゥくんの方。家の敷地に知らない人が入ってくると吠える。私が一緒だと吠えないのだけれど、今回護衛さんが一人で出ていったものだから、警戒対象にされちゃったよう。
ワンワンワンワンワン!
ゥワンゥワンゥワンゥワンゥワン!!
あわわ、さらにボリュームが上がりました。このままじゃご近所さんが何事かと駆けつけてくるかもしれません。
「す、すみません。止めてきます!」
私は慌てて立ち上がり、外に飛び出た。
お待ちの方、先週投稿できずに申し訳ございませんでした。
休日出勤が思ったより長引き、帰宅後に感想へのお返事を一つ書いただけで精魂尽きまして…。
翌日からはずっとお客さんの視察に張り付いて、早出の遅帰り……気力体力持ちませんでした。orz
なんとか日曜に投稿しようと思ったのですが、やはり間に合わず日が変わってしまい……orz×2
ただ、長くなったので2話に分けての連続投稿といたします。