19話 翌日自宅にて 8
いやいや、‘恋人がいない’って言っただけですし!
彼氏いない歴=年齢って言ったわけじゃないですし!!
世の中には私と同じ年齢で、私みたいに平々凡々で、‘今’恋人がいない女性だっていっぱいいる!
……はず!
…………ですよね?
………………うん。
自分の言葉で地味に受けたダメージを振り払い、気を取り直してお客人方を見れば、いつの間にやら皆さんの視線は隣の祥くんへ。
「次は俺かよ!?」という感じに苦笑していたけれど、この状況で一人言わないというのは許されないでしょう。
しかし、さすがは祥くん。
「豊嶋祥二。24歳、独身、彼女持ち。結婚は……まぁ、そのうちに」
とあっさり言った。
やっぱり男性のほうが、自分の年齢とか言うことに抵抗が少ないんでしょうかね?……恋人については‘いる’方が‘いない’より言いやすいんでしょうけど。
しかし、何故にそこで続けて
「あ、念のため言っとくけど、俺の‘彼女’ってこいつじゃないから」
なんて言う必要があるのかわかりませんよ、祥くん?
蛇足としか思えない言葉の必要性を祥くんに訊こうとしたけれど、
『-------,-----------------?』
「失礼ですが、豊嶋様と佐原様とのご関係は?」
セパシウスさんが尋ねてきてできなかった。
「あ、彼は私の親戚――はとこです。はとこというのは、親同士がいとこなんですけど……解りますか?」
『--,--------』
「はい、わかります」
「確か曽祖父の代だったと思いますが、本家――彼の家から分かれてこの家を構えたんです。今も親戚づきあいをしています」
『-----』
「なるほど」
大きく頷くセパシウスさん。
「私一人で皆さんとお話するのは心細かったので、一緒に立ち会ってもらうように頼んだんですが、構わないでしょうか?」
私がそう尋ねると、公子サマと一言二言言葉を交わし
『--------------------------』
「佐原様のご親戚ということでしたら構わないでしょう」
と祥くんの立会いを認めてくれた。
もし認めてもらえなかったらどうしようと心配だったのでホッとしたけれど、続けて
『-,--------------------------.-------------,-------?』
「但し、これからお話しすることは非常にデリケートな内容です。ご他言無用ということでお願いしたいのですが、よろしいでしょうか?」
と言われて、改めて緊張に襲われる。
公子サマご一行の‘デリケートな内容’って何でしょう?見当もつきません。
………というか、そもそもそんな内容私たちが聞いちゃって構わないんでしょうか?
「わかった」
と先に頷いたのは祥くん。
「但し、話の内容によっては俺の家族には伝えることになるかもしれない。さやの身内として皆気にかけてるんで。
「それに、お偉いさんの‘デリケートな話’ってのが何かはしらないが、身内としてこいつが危険なことに巻き込まれるようなのはお断りだ」
おお、すごい。祥くんが慶くんみたいにピシッと話してますよ!
いつものイメージはどこへやら、頼もしく見えます。
思わずぽかんと見てしまいました。
「……さや、お前、今何気に失礼なこと考えただろ?」
「うん、慶くんとちゃんと血が繋がってたんだねぇ」
しみじみ。
何度も頷く私に、「おまえなぁ」と口元を引き攣らせる祥くん。
いやいや、だってしょうがないでしょう?お兄さんの慶くんはいかにも長男らしく落ち着いていて‘理知的’なのに対し、祥くんは‘乱暴・粗忽’なんですから。
こっちでそんな話をしている間に、向こうも話が済んだよう。
セパシウスさんは何やら渋っていたようだったけれど
『~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~.~~~~~~~~~~~~~~~~~』
「お身内として心配されるお気持ちはもっともです。どうぞ一緒に話をお聞きください」
結局、公子サマの言葉で決着がついたようだった。
読んでいただきありがとうございます。
前回の後書きで今回か次回に用件を…と書きましたが、やっぱりというか今回届きませんでした。
祥二が意外と行数を占めまして……
(いやいや、キャラのせいにしてはいけない)
次回のラストでちょっと触れて、メインはその次となると思います。
引き続きお付き合いいただければ幸いです。




