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ダンジョンで遊ぼう!! ~配信しながら楽しくダンジョンを作りたいと思います~  作者: 愛原ひかな
Infinity

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ティルティのもうひとつの特技


 ところでティルティは、何をしているのかな。

 ひとり地面に座り込み、素材アイテムとなっている木の枝を地面に突き立てていた。


「その、お前は何をしているんだ?」


 私より近い距離にいたフィースペードが、ティルティに問いかける。


「ティルは、ここのモンスターも作ってみたいと思うの」

「モンスターか。でも、ここの地面は真っ白だ。砂でも用意しないと落書きは出来ないけど」

「ティルはね、お絵描きも得意なの」


 ティルティが顔をあげると、私と視線を合わせてきた。


「これはパルトラちゃんも知らないことだね」

「う……うん……」


 私はこくりと頷く。


 ティルティとは、オブスタクルの世界大会で知り合った、仲の良いお友達という認識がある。

 でも、オブスタクル以外のことはあまり知らなかった気がした。


 ティルティは海外在住。私と住まいが大きく離れていたから、私生活や他の趣味などは良く分かっていなかった。


 オブスタクル以外のティルティの魅力、すごく気になってくる。


「ふーん。絵をかくのが得意なら、ちょうど良い機能があるではないか?」


 フィースペードが指先を動かして何かを送信すると、ティルティは驚いた。


「なにこれ。ティル、はじめてみたかも……」

「所持しているアイテムのペイントモードだ。これは先日追加されたシクスオのサブスクを購入することで解禁されるのだが、今回はこちらの権限でお試しモードを強制的に開けさせてもらった」

「ティル、これを使えばお絵描きも出来る……!」


 両目をキラキラと輝かせるティルティは、両手がうずうずしはじめていた。

 それにしても、お絵描きか。


 シクスオの世界でなら……モンスターのイラストでも描くつもりなのかな。


「一応言っておくが、まだ完全版ではないからな。お絵描きできるアイテムの大きさに制限がある」

「ティル、それでも嬉しいよ。真っ白な紙がないのが残念だけど、このツールで事足りると思う」

「それなら、提供して良かったと思う……。思いたいな」


 フィースペードが大きく息を吐くと、ティルティはお絵描きをはじめる。


「お絵描きといっても、現状では召喚したモンスターと消費アイテムに対して自由に描けるだけだ。以前は自身が召喚したモンスターにしかお絵描きが出来なかったが、最近のバージョンアップで少しは自由度が上がってはいるはずだ。使用感は分からないけど、ツール内にアイテムに関係なく自由に描ける長方形の白紙ページもあるから、それをまず使ってくれ」


「ティル、わかった。モンスターのお絵描き、頑張る!」


 やる気に満ちてきたティルティが、新たなモンスターの外見を頭の中で考え始めた。

 これに私も加勢しよう。


「私も一緒に考えても良いかな?」


 地面に座り込んでいるティルティの隣に、私がお邪魔する。


「ティル、嬉しい」

「そういってもらえると、私もうれしくなるかな。それで、どんなモンスターの見た目にしますかね」

「まずは風の精霊っぽいモンスターがいそうだから、強そうなのを描きたい」


「精霊みたいな見た目、かぁ……。属性はやっぱり風になるのかな?」

「ティル、びゅーって吹かせるのが出てきてほしい!」


 穏やかそうに口開くティルティは、真剣になっていた。

 突風を引き起こすモンスターで、精霊っぽさもある。



 ……見た目は、もはや突風でも大丈夫なのでは。

 あとは、精霊っぽさがあるから突風で心臓となる何かを隠しているとか。


 クリスタルは駄目だ、普通過ぎる。


「とりあえず、つむじ風みたいなので何かを守っている、みたいなの描いてみたら?」

「ティル、わかった。描いてみる」


 ティルティはツールで絵を描こうとし、お絵描きしはじめたての画面を私にみせつけてきた。


「今回はティルはひとりで描くわけにはいかないから」

「そうですね……!」


「では、描きます」


 ティルティは風を描いた。

 かなり適当に。適当といっても、風のラインはとても美しかった。


「風、描いた。なにをいれる?」

「そうだね、ここから何を中に入れ込むかなんだけど」


「ティル、中身は美味しそうなのが良い」

「美味しそうな……なんだろう、卵料理とか……」

「ティル、卵の殻がいいかも。砂で出来た卵の殻を包み込む、風のモンスターっ!」


 ティルティは勢いだけで描きはじめた。



 冷静に考えて、ティルティの案は大変素晴らしいものであった。

 誰もが称賛に価すると判断できる。


 今回設置するボスモンスターがムグルルという鳥型のモンスターなので、雑魚モンスターとしてのイメージに対して非常に合うのだ。


「取り巻きのモンスターは、スコールエッグンでっ!」


 まさに即答だった。


 モンスター名も、ティルティが名付ける。

 でも、イベント用とはいえ……ダンジョンに出てくる雑魚モンスターが一種類だけだと、冒険者が探索に飽きてしまいそうではある。

 他の種類となる雑魚モンスターも考える必要がありそうだ。


今回もお読みいただき、ありがとうございます。


遂に……ついに……『ダンジョンで遊ぼう!!』が、第200話に到達しました。

これからも本作品を何卒よろしくお願いします!!

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