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ダンジョンで遊ぼう!! ~配信しながら楽しくダンジョンを作りたいと思います~  作者: 愛原ひかな
第1章 オンラインゲームを始める

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ダンジョンを作ろう!


 ただ、本当にダンジョンを作る方針でゲームを進めて大丈夫なのか心配になってきたので、配信ログをみる。


:このゲーム、ダンジョンを生み出すスキルなんてあったっけ?

:あたいは聞いたことない

:はて、そんなのがありましたかのう……?


 配信ログのコメントが、そろいに揃って知らないという反応をしてきた。


「私、何故かあるんです……」


 配信先に聞こえるのか微妙なくらいの小声で、囁いてみた。


:えっ?

:それ本当なのー?

:もしそんなスキルがあるとしたら、実際にみてみないと行けませんぞ

:期待してる

:同じく


 視聴者に、謎の期待させてしまっている。

 私はこのまま沈黙してしまいそうになったが、受け付けの人からの生暖かい視線を感じ取ったので、口が動きそうだった。


「受け付けの方の……すみません。ダンジョンの作り方ってわかりますか?」

「それでしたら、ダンジョンクラフトを使用すればすぐに出来るようになります。ダンジョンマスターにもなれます」


「私がダンジョンマスターに、ですか……?」


 いきなりだったので困惑したが、少なくともこの場に否定する者はいない。


「えっと……ダンジョンクラフトのスキルですね、使ってみます。ありがとうございます!」


 手早く受け付けのお姉さんにお辞儀したあと、早速スキルを使用してみる。


「スキル、ダンジョンクラフトを発動します!」


 スキルを使用すると、星の形をした青色の魔方陣が、私の指先に出現していた。


 はわっ?

 体が……魔方陣の中に吸い込まれていく……!?

 私の態勢が崩れてしまい、そのまま奈落へと誘われる感覚がした。



「うっ……ここは……?」


 意識を取り戻して起き上がると、私は青っぽい円盤が床に刻まれている部屋にいた。


 ここが、ダンジョンの製作場所なのかもしれない。


 製作に慣れたら、クラフトルームと呼ぼう。


 とりあえず地図を出してみたい。

 でも、どうやって出すのだろう?


 やり方なんてわからない。けど、とりあえず出てきてほしい。


 配信ログでは、何か重要なことが書き込まていたりするのかな?


:あれ、何処なんだ?

:見たことない

:知らぬ

:もしかしたらあの世とか

:それはないかと

:少なくとも、ゲームの世界で間違いないぞい


 配信ログはここで止まっていた。

 地図、地図がほしい。

 そのような単語を頭の中で思い浮かべていた。


 配信ログが進まないし、受け付けの方もいない。

 これってもしかして、よくない状況?


「誰か、ダンジョンの地図をお願いしますよ!」


 痺れを切らしかけて喋ると、地図が私の目の前にフワッと出てきた。



「なんか上手いこと出せた……。とりあえず見てみよう!」


 私は地図に目を通す。見慣れない地形と、見覚えのある地名が書かれていた。


:これは迷宮神殿オシリスのフィールドマップだな

:フィールドかぁ。ところでいま何してるの?

:ダンジョンクラフトのスキルを使っているから、おそらくダンジョンを作っている最中なのかもしれないが

:ふむ、面白そうだね

:そうじゃな

:面白いのは当たり前。それはそうと、ここから何をするんだ?


 コメントで言われた通り、私も何をすれば良いのかわからなかった。


 そこで考える。

 ダンジョンでフィールドの地図が必要なのは、何の設定なのか。

 まだ決めていないことがあるに違いなかった。


「ダンジョンの、場所……!」


 これは、ダンジョンの位置を決める重要な設定だと感づいた。

 そうとわかれば、早速設定してみる。


 ギルドの位置からやや北側を意識して、直感でフィールドの地形が描かれた地図に触れた。


 すると。


『ダンジョンの座標を決定しました。パルトラ様は現在地から離れている為、座標地点までワープします』


 というアナウンスとともに、ちょっぴり床が振動しはじめる。


 けど、すぐに静まり返った。

 移動が終わったということかな?


 とにかく、次の作業に移ろう。


 次は、部屋と通路の作成。

 適当なサイズの四角いエリアをたくさんイメージしていく。


 基本的に、ダンジョンの製作は全部ここでできるのかもしれない。まだ、よくわかっていないのだけど、見た目だけは汗水垂らして魔法を使うよりは早く完成しそうだ。


:すげー。次々と道が出来ている

:ダンジョンのネタバレにならないか?

:いや、それはないじゃろう。でも記憶力があれば、出来てしまうか……

:それだったらあれだね。嫌ならみるな

:俺は、可愛い姿で作業している様子を見続けたいだけだが!?

:うわ……

:配信者は、かわいい可哀想だったかのう(本日二回目)

:それは誤解だって! みんなのこと信じてるからっ!!

:ドン引きしたわ


 そんな配信ログが永遠に流れ続けた気がしたのだが……。

 いざ作業が終わると、難解のパズルピースを全部はめきったような、達成感が得られた。


 目の前に出ている画面上で、ダンジョンの外見と内部、ボス部屋を合わせて六層分が完成したのだ。

 私のダンジョンは、地下深く潜るほど強いモンスターが出てくる。それだけを意識した。


 そして、ここからモンスターの配置となると、別の工程が入る。


:モンスターの作成方法が知りたいな

:何かキーとなるアイテムが存在するのでは?


 配信ログに流れている通りのアイテムが実在します。とは言い難かったけど、間違ってはいなさそうだ。


 私の手元には、ダークスライムのコアが三つある。


 コアの形が歯車だから、三つが噛み合うようにするのかな。

 うにょーん。

 回りだした歯車から、ダークスライムが出てくる。

 これで良いのか……?


:ついにモンスターが出たけど弱そう

:よわよわ

:かわいいじゃん


 いや、駄目かもしれない。

 難易度が低いと、熟練の冒険者はすぐに飽きてしまう。ボス部屋への到達率も上がりそうなので、このダンジョンに出現するモンスターは強めが望ましいかも。


 では、どうしようか。

 コアに刺激でも与えてみようかな。

 魔法とかで。


 コアの歯車を一度分解したら、詠唱を開始する。


「常闇に染まりし、デモンスライズ!」


 魔法を放つと、ダークスライムのコアが少し黒く変色する。

 これで再び合わせてみよう。歯車が動き出し、ダークスライムが誕生した。


 このダークスライム、ちょっと色味が変だ。

 これまで見てきた個体より、ふたまわりくらい色味が濃い。

 サイズもさっき誕生した個体より大きかった。私はそのまま様子を見守ってみる。

 すると、最初に誕生したダークスライムが、濃い色味のダークスライムに丸呑みされてしまった。


:さっきと同じ……?

:いや、見た目が少し違うから、ひょっとして強くなったのか?

:強くなったことを期待する


 配信ログでは、強さが気になったご様子。

 やっぱり後から誕生したダークスライムのほうが、いくらか強いのかな。

 冒険者と戦闘させたら、よりはっきりした強さが分かると思われる。


 ひとまず、ダンジョンにたくさん湧かせたいので、コアを地下五階層の奥のほうに置いてみよう。

 小部屋と通路を新たに作成してから、コアの設置をする。


 うにょーん。

 歯車が回転して、ダークスライムを量産する。

 ダークスライムのことは、これでしばらく置いておく。



 他のモンスターをダンジョンに出現させるには、まだやり方が分からない。

 ギルドで質問したほうが回答を得るの早そう。

 けれど、ギルドに向かうとなると、また危険が被るような……。


「ギルドに対しては、直通のワープゲートって作れないかな?」


 一度やってみよう。場所はいったん、ボス部屋の奥にしたい。

 ここに作るとボス部屋を倒したあとすぐに帰還できるから、挑む側も安心できるだろう。

 ただし、ボス部屋で倒すべく者を倒せればの話になるが。


 ワープの作成方法は、製作部屋で場所設定した際と同じようなことをすれば、大丈夫なのかもしれない。

 ボスフロアに小部屋と通路を追加してから、ダンジョンマップと睨めっこした。

 ワープゾーンを作りたい場所に向かって、茶色い杖の先端を当てるとアナウンスが流れる。


『ダンジョンからの脱出用のワープゾーンを作成しました』


:おっ?

:ほほう……

:ダンジョンクリアしたら、すぐにギルドへ帰還できるワープゾーンが!?


 少人数しかいない配信ログでは、皆が驚いていた。


「どうやら、ギルドに一方通行のワープの作成……できるみたいですね。さてと、早速使ってみようかなっ!」


 茶色い杖で床に魔法陣を描いた私は、ワープして製作部屋を出た。


 魔法陣でのワープ先はボス部屋である。

 そして、実験という意味合いも兼ねての行動。


「えいしょ!」


 私自らワープゲートの上に乗った。

 すると、ギルドにいる受け付けのお姉さんと、テーブルが視界に入った。


 無事に迷宮神殿オシリスのギルドへ入り込めたようだ。


お読みいただき、ありがとうございます!!

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― 新着の感想 ―
ダンジョン製作の過程が本当に楽しく描かれていますね。地形の選択から部屋の設計、モンスター強化まで——創意工夫の喜びが伝わってきます。スライムの詠唱魔法での強化シーンは特に素晴らしく、ゲーム内の自由度の…
初めまして! Xからやって来ました。 固有スキル二個保有からのPK. そこからのダンジョン作成。 目まぐるしい展開が良い感じです。 面白かったので、ブクマさせて頂きました。
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