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ダンジョンで遊ぼう!! ~配信しながら楽しくダンジョンを作りたいと思います~  作者: 愛原ひかな
第1章 ダンジョンを発展させよう

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腐敗したお肉を回収しよう


 それはそうと。


「宝箱のこと、私も聞いておきたいかも……!」


 私はフィナの元に近寄った。


:ダンジョンは大丈夫なのか?

:埋もれたお肉……

:お肉は腐食してたら成功だし


「リスナーさん。可能ならば、私は猫の子も借りたいのです……」


:それなら仕方ない

:お手伝いできる方は大事よねぇ


 配信ログでは、納得してくれる方が複数名いるだけでコメントが荒れる方向へと進むことはなさそうだった。


「パルトラ………いたのか?」

「はい。ちょっと私も個人的に聞きたいことがあるのだけど、宝箱のことも聞いておこうかなって」

「そうか」


「ではフィナ様、パルトラ様、宝箱についてですね。いまからサンプルを三つほど、ここにお出しします」


 受け付けのお姉さんが手のひらをみせる動作をすると、ギルド内に宝箱が三つ出現した。


:うげっ!

:すげー

:宝箱だ


「宝箱は全部で三種類存在します。鍵穴がなくて魔力を注ぐことで開くもの、鍵穴が存在しているもの、ミミックというモンスターです」

「ふむふむ、まずは鍵穴のない宝箱を調べてみましょうか?」

「そうだな……」


 まずはフィナと一緒に、一つ目の宝箱に近づいた。


「この宝箱、開けるよ」

 フィナが宝箱に手に掛けると、宝箱の蓋があっさり開いた。


 中身は空っぽだったのだが、みた感じ収納できるスペースはそこそこありそうに思えた。

 これなら大きめの装備品も余裕をもって入りそうである。


「あたしの魔力が消費されて宝箱が開いたのか……」

「そうみたいですね。次の宝箱を調べてみましょう」


 私は鍵穴の存在する宝箱に近付く。


「こちらをお渡しします」


 受け付けのお姉さんがひと言かけてくると、私の目の前に鍵がゆっくりと落ちてきた。


「これが宝箱を開けるアイテムですか?」


 丁寧に鍵を掴み、宝箱の鍵穴に差し込んでみる。

 すると、カチッと音がして宝箱が開く。

 当然、中身は空っぽである。


「ふむ……。次に行きましょう」

 私はエグゼクトロットを手に取って、最後の宝箱を軽く叩いた。

 すると、宝箱が開いて牙を剥き出しにしてきた。


「ガウガウ、ガウガウ」


 ミミックである。

 ごく普通のモンスターだ。


 いまは受け付けのお姉さんからの配慮によって襲ってこないが、ダンジョンだとそうは行かないだろう。

 クレイキューブの地下迷宮にも、是非とも設置したいところだ。


:宝箱ひとつにしても面白い

:実は、普段はみれない光景

:宝箱の作成そのものが特殊すぎるんだよなぁ……


 配信ログでは、思ったより()()()()()()という声が多かった。



「ところで……これらの宝箱を製造したのは、どちらになるのでしょうか?」

「伝説の鍛冶職人でございます」


:伝説?

:ああ、やっぱりあの人か

:あのひとね


 宝箱を製造したのは、私のダンジョンにいる方だったか。

 アレイが運営サイドと何かしらの繋がりがあることを知っていたが、まさか宝箱まで提供していたとは……伝説の鍛冶職人、恐るべし。


「今回もありがとうございます」

「いえいえ、お役に立てて光栄です!」


 一礼してから真顔に戻っていく受け付けのお姉さんは、どこか機嫌が良さげだった。


「宝箱のこと、まさかアレイさんが絡んでいたとは……」

「フィナ、そんなに複雑な心境を抱く必要はないのですよ。私は、まだまだ知らない一面がみられることが楽しいのです」

「パルトラは、とてもポジティブなんだね」

「はて、そうでしょうか……?」

「無自覚なのか?」

「そんなことないと思いたい、ですけどね」


「ふーん。あたしはそろそろダンジョンに戻ろうと思うのだけど」

「フィナは先に行ってて良いですよ」

「わかった」


 フィナがワープしていくのを見届ける。

 その後、私は受け付けのお姉さんと真剣に顔を合わせた。



「酸の砂に埋もれている、腐敗したお肉を回収したいのですけど」

「しばらくお待ちください――」


 受け付けのお姉さんは、その場でいくつか画面を出して検索機能を利用しはじめる。

「ふむ、そちらの状況をみる限りでは、アイテム回収判定の拡大スキルが付与されているマジカルハンドといった装備品が必要となります。詳しくはアレイ様に尋ねるとよろしいでしょう。もしかしたら、必要な小道具を借りることができると思います」


「なるほと……アレイさんに聞けばよかったのですね、ありがとうございます」


「いえいえ、お構いなく」


 受け付けのお姉さんは喋り終えると、真顔に戻る。


:一応、解決する手段があるみたいだ

:それならよかった


「そうだね……。早速だけど、アレイさんに会い行きますか」


 目的地をリスナーに伝えてから、私はダンジョンにワープした。

 次の行き先は、私のダンジョンの中に設営した、アレイの工房である。



 工房では赤く染まる金属がハンマーで叩かれて、バチバチと散らす花火が美しい。


 アレイはどことなく真剣な顔で、武器と睨めっこしている。

 ポツンと丸い机に椅子があり、周囲は棚とレンガで囲まれている部屋。金属の立てかけがひとつあって、そこには作りかけと思われる剣が数本、刺さっていた。

 クレイキューブの地下迷宮にあるとは思えない異様な光景に、思わず見とれてしまった。


「パルトラさん、お帰りやね。困ったことがあったのやね?」

「えっと……酸の土に埋もれてしまった腐敗のお肉を回収するアイテムを借りたいのと、ダンジョンの宝箱についての相談がしたくてですね……」

「なるほどやね。宝箱に関しては少々時間がほしいところやから、酸の土に埋もれた素材アイテムの回収に行っておいで。これを渡しとくやね」


 アレイから、ギフトで送られてくる。

 金のマジカルハンドだ。ありがたく使わせて頂こう。


「アレイさん、ありがとうございます!」


 私はお辞儀したあと、ダンジョンクラフトのスキルでワープした。

 酸の土で溢れてしまった部屋に移動して。


「さてと、腐敗したお肉をようやく回収できますね」

 金のマジックハンドを両手にはめこんだ私は、足下をみた。


 マジックハンドの使い方は、落ちているアイテムの方向に対して、手を伸ばしてみるだけ。

 これだけで、アイテムの回収が行える。


:回収、出来てるねぇ

:お肉の収穫だっ!

:全部、腐敗してるけどな


「モンスターをつくる素材アイテムになるので、問題ないですよ!」


:うん

:そうだな


 腐敗したお肉の獲得と、配信ログのメッセージがどんどん流れていく。

 腐敗したお肉をいっぱい集めれば、ゾンビをたくさん作ることが可能となる。


お読みいただき、ありがとうございます!!

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― 新着の感想 ―
着々と準備が整ってますね。 ダンジョン生成というテーマを書きつつ、 日常パートなどもとても面白いです。 面白かったので、ポイント評価させて頂きました!
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