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ダンジョンで遊ぼう!! ~配信しながら楽しくダンジョンを作りたいと思います~  作者: 愛原ひかな
第1章 ダンジョンを発展させよう

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ゲームはじめて三日目の配信、やります


 シクスオにログインすると、原則ログアウトした場所からの再開となる。

 私がシクスオをはじめてから、本日で三日目。


 昼食で食べたハニートーストのほのかな香りと甘くてとろける食感が残っているうちに、シクスオへのログインを進めていた。


 いまは一秒でも早くシクスオにログインして、必要な準備を済ませてから、予め告知していた午後から配信を開始する予定でいた。



「ログイン完了……フィナはどこだろうね。配信の開始をしたいけど」


 クラフトルームを見渡した限りでは、フィナはまだ来ていなかった。


「ところで、このアラートはいったい何なの?」


 私に向けられた不自然な通知――ゾクリと、冷や汗をかいた。

 これを開けるのは、少しばかり勇気が必要そうだ。


「うーん……」


 確認する勇気が足りない私は、必要以上に周囲の目を気にしていた。

 右往左往、必要以上に敏感になって目を泳がせても緊張がなくなるわけではないのだが……。


「パルトラ殿、どうしたかね?」


「ひゃわっ」


 不意に現れたアレイに驚いて、背筋が凍り付く感覚がした。

 ただの気のせいなのだけど、アレイは私の態度をみて少々呆れていた。


「僕は武器工房に行くから、用事があったら言ってやね」


「あっ、はい……」


 ふふふと笑うアレイは、すぐに立ち去っていった。

 片手には、冷たそうな素材アイテムらしきものを持っていた気がしたのだが、真相は不明。

 とりあえず、メッセージを開けてみないことには、前に進まない気がした。


 ゴクリと息を呑み。

 えいっ。私はタップする。


「なになに、ダンジョンに設置されていた、水の魔法石の動作を運営側の権限で強制停止させました――」


 ということは、魔法石の部屋に何か問題が発生したということ?

 現場の確認を急がないといけない気がした。


「えっと……いま行くから待ってて、腐敗したお肉さん!」


 私は慌てて、風神の和太鼓を天にかざす。


「あれ……?」


 ワープすると、殺風景で、砂と壁があるだけの空間に立っていた。

 腐敗したお肉はとっくに完成しているはずなのに、どこにも見当たらないのは何故だろうか。


「仕方ない、詳しく調べてみようか……」


 しぶしぶダンジョンのマップを開けると、腐敗したお肉のある場所は現在地より座標の低いところにあるらしくて……?


「ああああああああああ――――」


 腐敗したお肉が、酸の土に埋もれてしまっている。

 この状況で腐敗したお肉を回収するには、作りすぎた酸の土をどうにかしないといけない。これの解決方法は……。


 とりあえず、配信は開始しないと。

 私はVRカメラを稼働させる。



「は、配信はじめます……」


:おっ、始まったか

:はじまったねぇ

:いまどこ?

:どこだろう?


「こんにちは。いまはダンジョンの砂場にいます……!」


:ダンジョンに砂場なんて作ったのか

:いや、天井低くない?

:言われてみれば

:そうだねぇ


 違和感満載な状況でスタートさせた弊害が、さっそくコメント欄で見受けられた。


「あっ、えっと……ごめんなさい。ちょっとダンジョンにトラブルが発生してまして」


:トラブル?

:そうなの?

:そうは見えないけど?


 配信ログでは、トラブルの実態に共感できていない。

 しかもこの状況……私が過去のVRゲームでの失敗の流れに近かった。


 頭で忘れたつもりでも、体が完璧に覚えている。

 リスナーに対して次にいうべき言葉の選択に、困り果てそうだ。


 せめて配信ログの雰囲気が壊れないようにしたいけど。


「そ、その……アイテムが……!」


:アイテム?

:アイテムなんてなさそうだが


「地面に、埋まってまして……」



:アイテム埋まったのか

:そうか

:それなら仕方ない

:解決、応援する


 思ったより生暖かな配信ログが流れてくる。

 リスナーさん、ほんと優しくて……。


「これってギルドで問い合わせたほうが良いのかな?」


:たぶん

:おそらくは


「それなら、ギルドに行きます……!」



 リスナーの言葉を信じて、私はオシリスのギルドへ移動する。


「宝箱の作り方、どうしたら良いんだ?」


 ギルドに入ってそうそう、フィナがいた。

 フィナは受け付けのお姉さんに向かって、何か聞き出そうとしていた。


:いまマルチモード?

:そうっぽい


 配信でゲーム画面を流してしまっている以上、変な言い訳なんて私の口から言えなかった。

 ただ、フィナがギルドにいたので探す手間が省けた。


お読みいただき、ありがとうございます!!

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