姫ちゃんは姫ちゃんだから姫ちゃんなの!
僕の名前は七瀬 咲良、れっきとした男子中学生である。
と、いっても今日からから高校生になるのだけどね。
「お~!姫ちゃんおはよう♪今日も美人さんだね~」
と、声をかけてきたのは幼馴染みの篠原 小豆。可愛らしい女の子だ。女の子オブ女の子(?)みたいな子である。
……ってか
「小豆?何度言えば分かるのかな?僕は男だって!」
そう、小豆は僕の事を姫と呼ぶ。
まぁ、その原因は僕の見た目なのだが……。
「だって姫ちゃん可愛いし、女の子みたいな顔だし、女の子みたいな声だし、一挙一動が女の子っぽいし!」
そう、僕は女の子に見えるらしいのだ。
何度も僕は男だと主張しているのだが……。
「だから姫ちゃんなの~!」
聞いてくれないのだ。
「もう……いいよ。」
僕は鞄を肩にかけて持とうとするが。
~スパーン~
と、小豆に鞄をたたき落とされた。
「ちょ、小豆!?」
え、僕なにか怒らせた?
「姫ちゃん!」
「は、はい!」
小豆は息を吸い、僕に大声で言ってきた。
「女の子がそんな鞄の持ち方しちゃめっ!」
……もう、いいや。
「ほら、私みたいに持って?」
持つからその真剣な目をやめてほしい。
僕は小豆が持ってるように鞄を両手で、そして前で持った。
あくまで仕方なく、だよ?
って僕は誰に説明してるんだ。
「ん、よろしい♪」
「はいはい」
まぁ、小豆が嬉しそうだからいいか。
僕と小豆は学校に教室を確認するため昇降口に向かった。