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陰陽師物語  作者: 睦月火蓮
肆幕
23/61

機転

陽矢「南に鎮座し豪炎司る朱雀よ、汝の力を十六夜に宿せ!」


十六夜の刀身が赤い光を帯びた。

玄武。見た目は亀といっても…


桃芽「一応言っておきますが実際亀は逃げ足が速いですので」


マジで!?

誰だ亀は足が遅いなんて広めた奴!


玄武『コレデモ喰ラウガ良イ!』


なんて言っていたら玄武の方が先に攻撃を仕掛けてきた。

大量の蔦が俺達に向かって来る。


桃芽「え、何プレイです?」←※思考が腐女子


夜「…はい?」


夜月「ふざけてる場合か!」


レキ『…なぁ陽矢』


陽矢「…なんだ?」


レキ『…一つ思ったんだけどさ…さっきのやり取り見てると…』


陽矢「…ああ。俺も思った」


陽矢・レキ『「…せーの。これ絶対俺(陽矢)の方だけ狙ってね?…」』


おいなんだこのコントみたいな流れは。


陽矢「…なんじゃそりゃぁああああああっ!!!?」


桃芽「…あら?」


思った通り夜月達の間をすり抜けて俺の方へと向かってくる。


レキ『よ、陽矢!切れ!』


陽矢「…出来るかッ!!」


あまりの量に俺も逃げ出す。…が。


陽矢「あ」


ちょうど逃げた方向には、俺が追いかけられている蔦の量よりも明らかに多い蔦が待ち構えていた。

当然、そんなことを予想してもいなかった俺は…


レキ『結局こうなるんかい!』


陽矢「俺が言いたいわ!」


桃芽「…四神×陽矢。悪くないですわね」


夜月「させてたまるか!(超必死)」


桃芽「(チッ)冗談ですわ」


レキ『何でも良いから早く助けろーっ!』


つーかこれ実際縛られてるのは両腕だけで、宙吊りにされてんだよな…。


陽矢「…ん?…なんか首のあたりがくすぐったいんだが……」


レキ『ん?……うわぁあ!?ちょっ…これ首絞められ始めてるぞ!?』


陽矢「マジで!?」


夜月「何だと!?」


桃芽「これはもうカップリングどこr「(夜月)少し黙っててもらっても良いか」考えられずにはいられないのですよ。フフッ」


夜「陽矢殿!…くっ!」


羽を広げて俺の方に向かおうとするが、他の蔦に阻まれる。


陽矢「マズいな…これ…」


精々動かせるのは手首ぐらい…微妙に届かない。

…。


陽矢「…なぁ、レキ…」


レキ『なんだよこんな時に』


陽矢「…十六夜って、さ…。…『どんな形であろうと俺が持っていれば操れる』んだよな?」


レキ『たぶんな。…ってお前何するつもりだよ』


陽矢「…だったら」


十六夜の形を変えた。


陽矢「蔦は所詮、草だろ。だったら…草刈りに鎌がちょうど良いだろ」


鎖の音と共に蔦が伐れた。

…が、よく考えておけばよかった。かなりの高度がある場所ってことを。


陽矢「…うわぁああ!?」


夜月「陽矢!」


夜「私に任されよ!」


夜のおかげでどうやら地面に叩きつけられずには済んだらしい。


陽矢「助かった…ありがとよ、夜…」


夜「いえいえ。…それにしても、考えましたね」


陽矢「ん。まぁ、咄嗟の案だ」


俺の持っている十六夜の現在の形。

それは…俺の持っているところは棒で、その先から鎖が…ってよく見たら棒の中に勝手に戻ってきてるな。さらに鎖の先には、窯の刃が付いている。


陽矢「鎖鎌と、大鎌を合体させたみたいなヤツを考えてみたんだよ。さっきレキに聞いたんだが、『どんな形であろうと俺が持っていれば操れる』かと思って。蔦っつっても、所詮草だし刈れるかと」


夜「…面白い発想をしますね、陽矢殿」


陽矢「…ん?」


なんだこの、何とも言えない夜の目。



──面白い発想をしますね、貴方の御子──



陽矢「…っ」


夜「…どうかなさいましたか?」


陽矢「…いや、何でもないさ」


夜に降ろしてもらうと俺は十六夜を元の日本刀の形に戻し、構えた。

よく見ると、どうやら一足先に夜月と桃芽の二人が動きを止めてくれたらしい。


夜月「陽矢!」


桃芽「急いでくださいな!」


陽矢「ああ。わかってるさ」


玄武『人間ゴトキニ、我ガヤラレルナンゾ…!』


陽矢「『百』の名に於いて…我、退魔の執行を行う──!」

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