玄武
ヤツヒメ「それでは、武運を祈るぞ。
汝ら『百』の執行者に幸あらんことを」
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玄武の祠に入って間もなく、桃芽が言った。
桃芽「…草花の気を、ここは特に感じますわね」
奥に進む程に、そこかしこに蔦やら蔓やらが周りに見えてきた。
陽矢「なるほど…。流石は草木を司る神様だ」
桃芽「割と温厚な神だとは聞いているのですが…。…まぁ、今は村人を苦しめていると聞いている以上、ご乱心であることには変わりございませんが」
まあ、出来れば話し合いで解決できたらいいんだけどな。
…ん?
陽矢「…」
レキ『ん?急に立ち止まってどうした陽矢』
陽矢「…笛の音が聞こえる」
レキ『笛?…うぉおっ!?』
桃芽「ちょっと!」
嫌な予感がする。俺は走って笛の音がする方向に向かう。
そして、そこについた時…
天邪鬼「遅かったね。執行者君?」
陽矢「…あまの…じゃく」
夜月「陽矢!……!」
天邪鬼「一足早く玄武を操らせてもらったよ。なかなか強情で苦労したよ」
桃芽「何故このようなことをするのです!」
天邪鬼「何だろうね」
陽矢「とぼけやがって…」
陽炎「あはは。そう怒らないでよ、君が戦う相手はあっちだ」
陽炎の指差す方向を見れば、…黒い霧のようなものに包まれている玄武らしき姿。
玄武から天邪鬼と陽炎に視線を戻すと、既にいなくなっていた。
レキ『ケッ、逃げ足の早い野郎だ』
夜「ともかく、あれはもう話し合いではいかなさそうです」
玄武を見ると…どうやら朱雀の時と同様に威圧的な視線を向けている。
…確かに、そうらしいな。
陽矢「…ったく、もっと平和的に解決出来ればいいんだけどな…」
そう言いながらも俺は笛を取り出し、十六夜に変えて構える。
陽矢「 我こそは、浮世に遍く妖魔を退治す命を授かりし者。退魔の執行者──『百』の名に於いて、汝に取り憑きし魔を打ち払わん」
玄武『執行者ガ人間ノ子供トハ…笑ワセテクレル』
陽矢「笑ってられるのも、今のうちだ」




