第二十三幕〜ふたり
「………あ………」
足音がして、振り向いて。視界に映る、姿、その姿。
どうしようって、かなり悩んで、答えはでなくて。狂おしいほどに悩んだというのに。
会ってしまえば、答えは早かった。ただ、あたしは彼に会いたかっただけだった。
「ど……して」
深紅の髪、海を思わせる深い青の瞳。その青があたしを見てる。赤と青の色彩が近づいてくる。
「グレンベルグに頼んだが、待てなかった」
あと、3歩。
「だから、あのとき一緒にいたゲイルズ教諭に頼んだ」
あと、2歩。
「あのときは戸惑った……あの日の君を見て、生きて会えないと思ったんだ」
でも生きていた――そういって笑う彼との距離はあと1歩。
「ロラン!!」
あたしは待てなくて、待ちきれない一心で飛び込んだ。
「ようやく会えた……!!」
ロランが抱き締めてくれる。あたしも抱き返す。
ようやく、会えた。ようやく、会えたのよ。
あたしたちは、この時を待っていた。ずっと、待っていた。ふたりでこれから進むべき道があることを幸いに思う。
あの日、ふたりで誓った日。
いざ生まれ変わればなかなか会えず。
足掻いて、人生楽しもうと足掻いて。神の手の上で転がされていた錯覚を覚えて。
でも、ようやく会えた。もう、邪魔はされたくない。ふたりで生きていく先は明るいはずだから――……
おわったー!
書ききれなかった、ゲイルズ教諭と父の関係は、かつてテルザの母を取り合った仲です、それだけが書けなかった。
いろいろ書ききれませんでしたが、それは山藍摺の筆力不足です。
ここまで読んでいただいてありがとうございましたー!!




