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5周目の人生で異世界を救った話  作者: MINMI
一章 平和の国カストリア編
35/129

34.別れ

そしてその晩、カルマはフィルスに呼び出される。


「カルマ、お前は15歳になったらこの国を出るのか?」

「うん、そのつもりだけど…」


「戦士協会の風習に捉われる必要はないからな。」

「え?」


「私は師に連れられ旅に出たのは8歳の時だった。」

「15歳よりも早く国を出るべき…と?」

「いや、そういう道もあるのだと言いたかっただけだ。力があるならば救える命もあるからな。」

「……」


「では私は行く。」

「え!このまま行くの?」

「ああ、長居する気もないのでな。」


歩き出すフィルスを慌てて追いかけるカルマ。

「あ、あの、フィルス!

最初は怖い人だと思ったけど、フィルスが先生でよかった、ありがとうございました!」


フィルスは最後に笑みを見せながら手を挙げ、去っていった。カルマはその後ろ姿を見えなくなるまで見送った。


 フィルスはカルマと別れ、1人歩く。夜空の星を見上げ、カルマとともに過ごした日々を思い返す。


(弟子とは不思議なものだな。私は別れも感謝も伝えることができなかったが...

いまなら届くだろうか。先生…ありがとう。)



 それから数日して、ダグラスもカストリアを離れるという。


「またいつでも帰ってきなさい。」

「無理しないでね。」

「はい。ありがとうございます。お母さん、お父さん。」


ダグラスはカルマの前に立つ。

「カルマ、いいかもっと強くなってお父さんやお母さんを守るんだぞ。」

「うん!」


「それと……」

ダグラスはカルマに近づく

「フィルスに言われたこと…俺も同じように考えている。」

「え?」

 カルマはフィルスに言われた言葉を思い出す。

"戦士協会の風習に捉われる必要はない"と。

 カルマは悩む顔をして俯く。


「まぁ、お前の人生だ。よく考えてみるといい。」

ダグラスはカルマの肩に手を置くと、そのまま後ろに振り返り歩いていく。


「兄さん!待っててね!強い戦士になって兄さんの助けになるから!」

「おう、楽しみにしているぞ!」


ダグラスはカルマに笑顔を向け去っていった。

 こうしてフィルスに続きダグラスも旅立っていった。

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