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ステータスは大事

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 俺はやっぱり、貴族なのか。キア先輩の言うように、ステータスにもその表示があった。両親は何も言ってくれていなかった。俺にはまだ必要無いと思っていたのだろうか。


「ライル! ちゃんと食べなよ!」


「え? うん。ちょっと考え事してて」


「はぁ。ボーッとしすぎじゃない? 貴族だったらもっとしっかりしてなさいよ」


 貴族って言われてもな……今の今まで、平民だと思って過ごして来たんだぜ。貴族って言っても礼儀とか知らないし。ステーキだし。あー、何かムカつく!

  目の前には、とても美味しそうなステーキが載っている皿がある。どうにも、ムカムカするのでやけになって、一口食べる。


「ん! ……これは、美味い。初めて食べた。いやでもサンドイッチの方がいい……あでもな、、」


「ステーキを、初めて……? あ、別に変でもないか!」


  レミスとライルは、夕飯のステーキを堪能して、寮へと戻った。



「そう言えばさ、ライル。ステータスの事知らなかったの?」


「え、うん」


 みんな知ってて当然だよな。スキルとか、取得するんだろうし。


「ねね、ちょっと見せて!」


「えぇ、まぁ、良いけど……」


  そう言って、ステータスを開きレミスに見せる。


「うわ、凄い。本当に魔法陣使えるんだ! これは……浮遊? 瞬間移動と違うの? あれ待って、瞬間移動も使えるの?」


 瞬間移動? 超能力とかでよく聞くやつ? そんなのもあったんだ。さっきは、頭のなかがパンパンだったから、よく見ていなかったのか?


「ねね、これなに?」


「え、どれ?」


「この、闇の守神ってやつ」


 闇の守神……クロヒの事か。これはなんて説明すればいいんだろう。友達? いや、友達に神様がいたら、ヤバイから。

 じゃあ、なんて……


『そのまま言えばよかろう』


 そのまま言うの? て言うか、言っていいの?


『……ただいま、ライル』


 おかえり……? ……まさか!?


「クロヒ!? どこにいる!?」


「クロヒ? いきなりどうしたの!?」


 どうして、どこにも見えないのに、声だけが聞こえるんだ?


『魔法を使える奴、特に、3属性以上持っている奴には、俺の事が見えるんだよ!』


 そうなのか。でもいいんじゃないか? お前の事正直に言って良いんだろう?


『それもそうだな』


「ねえ、ライル?」


「ちょっと待って、今見せる!」


 どこだ? ……ちゃんと出てきてくれよ。


『もう居るぜ』


 どこにいるんだよ? 見えないぞ。本当にクロヒなんだよな? また夢じゃないよな?


「ライル……頭の上に、竜が乗ってる……まさか、それが……」


  目を見開いたまま、一点から視線をずらさないレミス。特に怯えてはいないようだ。

 頭の上? おい、クロヒ。降りてこいよ。


『嫌じゃ。この姿は見られたくないわい』


 どんな、姿してんだよ。前みたいにこわい竜じゃないのかよ。まさか、ぬいぐるみみたいに可愛くなっちゃったのか?


『ふんぐっ』


 え、まじ。図星? え、見てみたくなってきた。降りろー!もうお前を掴んだからな。離さないぞ!

  自分の頭の上にいる、ぬいぐるみのような愛らしい竜を掴み引きずり降ろす。


「うわ、お前、可愛くなったな」


「ライル。ちゃんと説明して。会話からはずさないで!」


 寮のなかに、賑やかな空気が流れた。

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