上級生が会いに来ました。それも大勢。
読んでいただきありがとうございます!(’-’*)♪
019
「……ふぅ。片付けも終わったし、ロビーに飲み物でも貰いに行こうかな」
どんな風に飲み物をもらえるんだろう? まさか、ドリンクバーって訳じゃないよな。
家は古っぽいけど、学校って綺麗だよなぁ。古っぽいのも好きだけど。
ロビーまでの廊下は、タイル張り。
部屋に荷物を置いたライルはその廊下を歩く。
「ヤッホー、ライル! まさか、ロビーに行くの?」
「え、うん。そうだけど」
「じゃあ、私も行こうっと!」
え、まさか、一人じゃロビーに行くのが怖かったとか言わないよな? 俺を待っていた訳じゃないよな?
「ここってさ、私の家みたいなんだよね!」
「こんなに大きい家にすんでるの?」
「あ、私ね、貴族なんだ! 私だけ属性を持っていて、それでここに入ることになったの!」
へぇー、やっぱり貴族っているんだな。何か、レミスの家は大変そうだなぁ。魔法使いとかじゃなくて、他にやりたいこととかあったら、それが出来ないんだもんな。
魔法が使える人が減ってきているから。
「ここに来ることは、誰が決めたの?」
「え……あ、ああ! 私! 私が……入りたいって言ったの!」
少し慌てた様子で、何かを隠しているような仕草を見せた。目が泳いでいる。
あぁ、これは俺の予想が的中したな……
「そう、なんだ……あ! あれがロビーだよ!」
「え! うわぁ! 綺麗なシャンデリア!」
シャンデリアって、お高いやつじゃなかったか? まあ、この学校は王都立だからこのくらいはあるのか……
ロビーには、中央に小さめの噴水があり、それを囲うように花が植えられている。その噴水の周りに休憩スペースとして、ソファーが置かれている。
右奥には、カウンターがあり、そこで飲み物をもらえるらしい。
左奥に階段があり、そこから2階、3階へと上がれる。ロビーは共通、1年から4年までが使用する。全学年が集まれる広さがあるのが恐ろしいが。
「とりあえず、喉が乾いたから飲み物でも……」
「ライル……」
「何?」
「……」
レミスは階段の方を見て固まってしまった。
一体何が? 階段に虫でもいたのか? 俺は飲み物が欲しいだけなんだけど。
「……階段に誰か……」
そういって、振り向いた。階段にはぞろぞろと上級生たちが集まっていた。降りてこようとしているわけではない。
あぁ、上級生がいっぱいいると……そう言うことですか……
って言うか、全員俺を見てないか? 視線がこわい。
全員ライル目当てなのだ。魔法を測ったときの事は全校に広まっているらしい。魔法陣を使える、逸材だと。
まさか……魔法陣のことじゃないよな? 記者みたいに、聞き取りとかしに来ないよな?
「レミス、放っておいて、飲み物だけ貰って部屋に戻ろう」
「え、うん」
カウンターでお茶を頼み、そそくさと、部屋に戻った。
「ねぇ、ちょっと、ライルの部屋に行っても良い?」
「え? 何で……?」
「ちょっと、話したいことがあって、会ったばっかりの人に言うのはどうかとも思うけど」
さっきの話と、関係があるのかな? それなら、興味がなくもない。
「うん。良いよ」
「本当に! ありがとう!」
「オーイ! 二人とも~!」
ふいに、後ろから声がした。
この声は……誰だろうか? 俺ら以外に1年は居ないし、上級生か?
読んでいただきありがとうございました‼




