10話目。魔物の王になり得る資格。
「やっと帰ったか」
誠は内心、リジィが得体が知れなさすぎて、危ない者と認識しているため、会話も相手に飲み込まれないように注意している。
「誠様・・・」
「すまないもも。あれは全部嘘だ。魔物を使役することは本当だがな」
「誠様、闇スキルは危ない物です!」
「どれくらい危ない?」
「闇スキルは、使う者の命を対価にすることによって発動します。内容は様々ですが、発動すれば世界さえも変える可能性を秘めていると言われています」
「その程度か」
誠は、もっと危ない物かと思っていた。神を殺す、神殺しスキルとか。
「誠様侮るのは・・・」
「侮っては居ない、その程度なら俺だけで始末がつく」
「それよりも今は、ももにきつい事を言わざる雰囲気を作り出してしまったことを謝る。すまない」
「誠様大丈夫です。」
誠は、リジィが現れた時、誠の質問を無視し、ももに挨拶をした。
それは商人であるが故の、職業病。
より利益のありそうな者に、媚を売る。あそこで、リジィは誠よりも、ももを選んだ。
誠は商売の上で、嘘は肯定するが商品の内容に対して、嘘は許さない。
リジィはそれを平気でやる詐欺師である。だからこそ、ももは俺のものであると言う意思をみせたのである。
「リジィは早々に始末する時がくるかもな?」
「その時は私が」
そう誠は言うと森に移動するため、ディメンションを使う。
森最深部
誠は、森のBOSSに直接、会いに来た。
何故なら、討伐されて居なければ知識を蓄え、人語を喋るからだ。
期待を込めてBOSSの部屋に入る
「ももとBOSSを狩るのは始めてだな」
「楽しみです」
扉の先にいたのは、饕餮だった
これは現代の中国神話に出てくる怪物である。
「嘘だろ・・・」
外見は・・・体は牛で後ろに曲がった角と虎の爪があり、顔部分から人の腕が生えている。色は苔色とオレンジ黒で形成されている怪物である。
想像的には、某ゲームのジ⚫︎⚫︎ウガを想像して欲しい
饕餮は魔物を喰う。だからBOSSとされて隔離されている。
「貴様らは、何者だ?この饕餮を狩りに来た冒険者かなにかか?」
人語を話すようである。長い間かられなかったのであろう。
「お前は魔の国を作るための助力とするため、ここに来た」
「ふざけるな‼︎人間ごときに、我を使役できると思うのか⁉︎」
「出来なければ殺すのみ」
そうももが冷たい視線と無感情で言い放つ。
「貴様・・・」
「立場をわきまえろ‼︎ただの牛の分際で誰と会話しているのだ‼︎」
ももが激怒している。ももからすると雑魚すぎて会話することすら許されざる行為なのだろう。
「貴様‼︎我を饕餮としって言うならば、我と戦え‼︎」
「もも、こいつは馬鹿なのか?」
「まだ人語を話す程度の知識しか持って居ないようです」
「今回は俺が戦う、どの程度の物なのか調べておきたい」
「ですが誠様、ヒヒイロカネ刀を持ってるとは、言っても勝てるかどうか分かりません‼︎」
「大丈夫だ、とうの昔に人間は辞めた」
誠が何を言っているか解説しよう。
誠のステータスは、ずっと解析中で1のまま。誠はこれから先も・・・と不安になっていた。
Lvを上げても、上げても、ステータスは1のまま上がらない。要はLvは高いが雑魚のままなのである。
今までは、PSで勝ってきた、だがこれからは、そうもいかない時がある。だから不安にかられた。
不安の中で誠は色々な人のステータスを見た。冒険者、道具屋、リジィ、街人、受付の女性。
みんな、自分よりもステータスが強く、一般人は平均5は全体的にあった。
冒険者は、ずば抜けて高く20〜30まである。高い者は40〜45までの奴もいた。
闘技場で戦闘したBBBのマッチョはSTRだけは50。武器補正を入れてだ。
良く、腕が千切れなかったと今でも誠は思う。
そんな不安にかられていたある日。電子音が頭の中にノイズ混じりで響く。
ジジジ。ピコージジンジジ。
ジジジ。解析がジジ、終わりましたジジ。
解析結果は、ザーッ。
AIが脳内でノイズに混じり、聞こえなくなる、壊れたのかと思って質問をすると今度は普通に返答してくる。
ステータス画面を見るとこうなっていた。
鞍馬誠
STR 測定不可
DEF 測定不可
INT 測定不可
AGI 測定不可
DEX 測定不可
したまで見ると謎の解説が現れる。
AIでは、処理不可能でございます。今日から身体能力が超大幅に上がるので、お気をつけて下さい。
「なんだ?俺はついに、AIにもステータスを見捨てられたのか?」
そう思い、その日は絶望に包まれていた。
誠は、自分は弱い。その先入観によって、文字をまともに読めていなかった。
誠視点
AIでは、処理不可能でございます。今日から身体能力が超大幅に下がるので、お気をつけて下さい。
その後、誠は、自分が以前より弱くなったことを、今調子が悪い事をももに、悟れ無いように、饕餮と戦い死ぬつもりであった。
いつの間にか、過去の二つ名「鬼畜」異名は、見る影も無い。覇気も無い。
だが、魔物の饕餮とももが、気づかないはずが無い。
ももは、知った上で、止めたがあえて送り出した。
だが饕餮はそうは行かない。
「ふざけるな‼︎そこの人間‼︎戦う気が無いなら去れ‼︎」
「何を言っている。饕餮俺は戦う気があってきている。最初にも言っただろう?」
「もういい、俺は女の方と戦う‼︎」
誠は、心の中で弱さを怨む。弱者はいつも弱者だ、弱者には狭い選択肢しかなくミスは許されない。
なぜ弱者は、虐げられなければ行けない‼︎強者は、何故ふんぞりかえり、弱者は・・・弱者は・・・。
思い出す。ももを助けられなかったあの日のことを。
バコーン
ステータス画面をご覧下さい。
誠の目の前に開いていないのに出てくる。
鞍馬誠(全てを超越する者)
誠のスキルは、誠の意思に従う。
スキルは最善を尽くそうとした。
それにより、スキルがAIの魔法陣を書き換える。
そして、AIは進化する。
バコーン
私は誠様のスキルによって進化させられたAIです。前回のステータス解析結果を解析し直した所、超越する者と出ました。
よって、ステータス表示の必要がありません。
そして、誠様の体の調子を調整させて頂きます。
そうAIが言うと、以前の誠の覇気が戻る、いや、それ以上の覇気が。
もし、一般人が同じ場所にいれば、その覇気で死ぬほどの覇気を放つ。
バコーン
調整終了しました。
周りを見ると、ももは、感激のあまり涙を流し。
饕餮はびびって、縮こまっている。
「助けて下さい。お願いします。下僕でも奴隷でもいいので助けて下さい。」
「誠様、ついにステータスが解析されたんですね?おぞましいほどの覇気。感激です」
誠自身に何が起きたか理解するのにさほど時間は要らなかった。
誠は、誓う。強者を殺すことを。
鬼畜の異名を持つ誠に戻った今、弱気だった誠はもう居ない。
「まず、饕餮‼︎お前は、我が兵になれ。そして誓え、弱者を無意味に殺さず、痛めつけない事を。例外は強者だ」
「分かりました。この饕餮命をかけて誓いを守ります」
バコーン
「契約の儀式を行います。」
「饕餮の命を契約に刻印する‼︎」
この電子音は、誠以外の2人にも聞こえる。ようになっていた。
「まずは、1匹民が出来た。」
「良かったです。誠様♪」
読んで頂きありがとうございます。
誠は、弱さと強さを兼ね備えています。
だからこそ鬼畜になれるのです。
ご都合主義ですね笑
タグに追加しときます。
すいません。




