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第40話 尚美と結城、青森に行く

いつも読んでいただいてありがとうございます。



それでは、、はじまり、、、はじまり、、、


1901年10月のある日


遼東半島大連


林仙之助中尉 陸軍特務機関所属


日清戦争が日本の勝利に終わったあと、明治31年、(1898年)の下関条約によって遼東半島の割譲が決定されたが、、ロシアが主導とする三国干渉によって日本は遼東半島を清に返還させられた。ロシアは極東進出のため満州における権益拡大と大連港という不凍港を狙っていたのである。ロシアは三国干渉の三年後、日本から返還させた関東州(大連、旅順など)を租借した。今じゃここ大連は露助ろすけどもの町になってしまった。俺は食料品を扱う佐藤商店の代表で、佐藤一平と名乗っている。


旅順港は軍港となり、、外国人は立ち入り禁止となった、先日、港ではロシアの貨物船からとんでもない量のべトン、(セメント)が列車に積まれて旅順に運ばれた、今日も貨物船がきている、また大量のべトンが下ろされるだろう、きっと旅順ではとんでもない要塞化がはじまっているのでは、、、これはすぐに本土に連絡しなければいけない、、、、それと旅順にも中国人に化けて建築作業に潜り込もうと考えている、、、うまくいけばいいが、、




1902年1月30日にロシア帝国の極東進出政策への対抗を目的として日英同盟が結ばれた。この内容は、締結国が他国(1国)の侵略的行動に対応して交戦に至った場合は、同盟国は中立を守ることで、それ以上の他国の参戦を防止すること、さらに2国以上との交戦となった場合には同盟国は締結国を助けて参戦することを義務づけたものである。また、秘密交渉で、日本は単独で対露戦争に臨む方針が伝えられ、英国は好意的中立を約束した。英国は表面的には中立を装いつつ、諜報活動や戦費調達で日本を大いに助けたのである。



1902年2月のある日


初代三笠艦長早崎源吾大佐


私は英国のバロー造船所に来ている、、、目の前には敷島型戦艦の4番艦である。戦艦三笠の3月1日の引き渡しを待っている。


この敷島型戦艦は日本海軍の主力戦艦だ同型艦は「敷島」、「朝日」、「初瀬」そしてこの「三笠」の4隻。


本型は日本海軍がロシア海軍に対抗するために、1896年度および1897年度海軍整備計画で建造を決定し4隻とも日本がイギリスに発注し、同国で建造された、一番艦「敷島」は1900年1月26日、、、二番艦「朝日」は1900年7月31日、三番艦「初瀬」1901年1月18日、「初瀬」そしてやっと「三笠」が完成した。


もう我々、海軍はロシアとの戦争は避けられないと考えている、、この四隻が海軍の主力艦だ、、勝てるだろうか、、ロシアはでかい国だ、、早くこの三笠を受け取り日本に帰って訓練じゃ、毎日、訓練をして正確に主砲30.5cmアームストロング砲 4門これは重量386㎏の砲弾を最大射程13,700mまで届かせられる性能を持っておるこれで敵艦を沈めてやるんじゃ、、はやくこいつと日本に帰りたいの~




1902年1月のある日


青森市歩兵第五連隊駐屯地


”結城”


「やっと、、やっと着いたよ~姉さん、、、」俺と姉さんは列車を21時間かけて、、やっと、、第五連隊の駐屯地にやってきた、、行軍の7日前である。


取りあえず連隊長に挨拶に行かなければと思い、、、駐屯地の門で銃を持った兵隊さんに姉さんが「東京から来た、、サリバン尚美で~す。医師で健康管理と冬季装備計画できました~連隊長さんに合わせてくださ~い」と何処にそんな元気があるのかな~と思い見ていたら、門番の兵隊さんが、、敬礼して、、「聞いております。どうぞこちらに、、、、」という事で丁寧な態度で案内してくれた。


そして来客室に案内されて出されたお茶を飲んでいたら、、40代くらいの若そうな連隊長、津川謙光中佐が来られた、、ああ~これは間違いなく陸軍大学出のキャリア軍人だ。


中佐は露骨にいやな顔で一礼して向かいに座った、、「話は宮内省から聞いておる、、冬の健康管理とか言っておったが何をするつもりですか!、」


語尾がきつかった、、姉さんはへっちゃらな顔をして、、「実は中佐、私は陸軍参謀本部より、、特命を受けてきました。いいですか特別命令ですよ、よ~く聞いてくださいね、、」


さすが参謀本部とういう単語がでると、津川中佐は急に真剣な顔になり聞き出した。、、


「現在、、陸軍参謀本部ではあと数年のうちにあの、汚い政治で圧力をかけ遼東半島を借地とした。露助ろすけどもをぶっ叩くことを考えているんですよ~、、間違いなく戦争になります(よしよし、、このアホ中佐、、のってきたぞ~)、、、それで新しくこの戦いの決戦装備として、極寒においても兵士が戦える。冬季の装備をこの五条商会が開発して今回こちらで実施する雪中行軍で試す事になりました。そこで、、その検証で二人で行軍に同行させてもらいます。」



(よ~し、、、、もう一押しだ!)


「これが参謀本部、、阿部中佐の指示書です、、、、」


(姉さんが勝手につくりました~)


「それと、、ちょっとお耳を、、今回の冬季装備について順調に終われば連隊長はその功績で、、春の人事異動で、、参謀本部に異動があるような~^^~事を言ってましたよ~」



(よし目が変わった、、堕ちたぜ、、、)




「ほんとうか、、ほんとうに、、東京に帰れるのか、、、何年こんな田舎にいたと思ってるんだ~やっと帰れるのか、、サリバン先生何でもいってくれ、、全面協力だ~、、、他にいるものはないのか、、、、えっ、、2~3日したら装備品がくるのか~その後に参加する兵士と、装備品の訓練をするので出発前の2日間の指導時間がほしい、、了解した、今回の雪中行軍の指揮は山口鋠大隊長だ。それと連隊から選抜された兵士が参加する予定になっている、私からも山口少佐には言っておくよ、、、、


それと連隊本部に一応君たちの席を用意してあるからそこを使ってくれ、、、お~い当番兵、、この二人を案内してやってくれ、、」



そう言うと中佐は俺と姉さんと握手してニコニコ顔で自室に戻った、、、、


俺は騙すことは打ち合わせ済みとはいえ、宮仕えのキャリア軍人の闇をみて、帰れる事はないのに、かわいそうにと思ってしまった。


またそこをだます姉は鬼ババ~と思った瞬間、えっ、いきなり睨みやがった、こういうところは感がいいんだよな~



連隊本部の空いている席を教えてもらい、連隊の士官に挨拶をしてまわった、今日はこの後、、予約した旅館に向かおうとして、兵舎のそばを歩いていたら、、いきなり、「姐さ~ん、、尚美姐さ~ん、」と言いながら下士官が二人こちらに走ってきた、、、姉さんが二人を見ると、、、「あれ~お前ら~藤堂組の谷口とアンポンタンの清水じゃねえか~」


谷口、、「姐さんなんで青森にいるんですか?、、びっくりしました、、、」


「お前らこそなんでここにいるんだよ、、、えっ、予備役で原隊復帰になったて、、お前ら青森が出生地なのか~、、」


「私は、、あれだよ、、あれ、あれ、軍の命令で冬季の装備品の調査で、、、お前ら、、ここの偉い奴らに私の正体、、絶対に言うじゃないぞ!、、、心配だな~少し打ち合わせしよう


どうする夜はご飯いしょに食べようぜ、、えっ仲間も連れて行きたい、、


お~何人でも連れてこい、、御馳走してやるよ~、、ここの事いろいろ教えてくれ~ ちゃんと外出許可とれよ~、、旅館は富士屋だ、、夕方5時半頃、,分かったか~」


私達は旅館に着くと知人が訪ねてくるので宴会の準備をお願いした。、、、、旅館の女将は、この時期は客もいないので大部屋を使ってくださいと、、、、


私は、、大部屋は大げさだよ~、、せいぜい4~5人と思っていたら、、、、谷口と清水の奴ら、、、30人も連れた来た、、、、、、大部屋大正解!



”結城”

それからが~もう大変、、藤堂組の谷口さんと清水さんは前の日清戦争で活躍したみたいで下士官のトップ、、曹長で原隊復帰、、


連れて来た仲間も全員下士官、軍曹に伍長ときたもんだ、なんせただ酒だ二人は自慢したかったようだ、、伝説の代官山の決闘、、、ピストルの弾もはじくほどの女剣豪士、それが青森に来ているんだ、みんなこの話の女剣豪士に会いたくて来たようだ。、この二人は今までドンくらいふかして話したことやら、娯楽のない時代だ、、TVもラジオもない、、そんなたまげる様なことを現場で見ているんだ、、しょうがないか、、



その中の一人が、、敵の弾もはじくならあやかりたいと、、奥さんからもらったお守りを取り出しここにサインを下さいと持ってきた、姉さんはサインペンを取り出すと”尚美♡マーク”とまた書いた、、そしたら全員がお守りを出してきた。、、ほんと学習しない姉さんだった。


みんなが酔う前に雪中行軍について詳しく聞いた、、これは連隊の中から寒や積雪に強い東北山間部の兵士達の選抜チームで組まれたそうだ、、行軍計画の立案者は神成文吉大尉そして、それに大隊長の山口鋠少佐が責任者という事だった、、俺と姉さんは顔を見合わせ史実通りだと思った、、、


この計画は最初から間違っている、、、完全に雪山の事を知らない人間が上にいるんだ、、、雪中行軍で途中の村人が天候が変わり吹雪になり道が分からくなると言っているにもかかわらず方位磁石があるから大丈夫とか、、道案内をすると言う村人には金目当てか!と、、、ばかじゃないの~


さらに話を聞いたら、、、なんとここにいる全員選抜チーム、、、


それを聞いた、、姉さんは立ちあがり宴席の中心に言って30名の下士官を集め座らせた、、、、、


「よ~く聞けよ、、お前ら、、今回の雪中行軍は命がけだ、、雪山あまくみるんじゃないよ~、、、私の、、いい、私の言う事は絶対聞きなさいよ、、、部下にもよ、女だから、、なんていうやつはぶった切ってやるからね~、、、いい、、出発前の2日間でしかっかり装備品の使い方を覚えんのよ!、、、わかったか~てめら!!」


全員、、声をそろえ「へい、、わかりやした!、、親分、、、」 えっ!、、私、、親分!!、、ねぇ、、ねぇ、、親分なの~組の名前はどうすんの~、、とバカな事を言い出す姉さんだった。


それから装備品の研修までに毎晩、士官を除く選抜兵士全員が交代して宴席に来て、、、、姉さんの、、、子分になってしまった。、、、お守りも全員にサインしてやった姉である。







つづく、、、、





う~ん、、、さくら組、、、もも組、、、すみれ組、、、とまだ組の名前で悩む姉さん、、、、幼稚園かよ!










前にも書きましたが、、土曜日と日曜日の投稿は休みます。


また月曜日に投稿します、、、、お楽しみにして下さい、、、、、

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