大人の恋心 46
46.
" Understand 腑に落ちる "
今まで付き合ってきた彼女たちはこちらから連絡を取らなければと
考える必要がなかった。
メールなどは毎日、いや日に数回は当たり前にあった。
・・なので、今までとは勝手の違う桂子との遣り取りは手探りも
いいところだった。
連絡をして何をどう誘えばいいのか(彼女が喜んでくれるのかも)
考え過ぎるのがよくないのか分からず、ちゃんと相手に向き合わなければ
とか、結婚前提の交際を申し込むとか、考えれば考えるほどに
小野寺は迷路に迷い込む心地になっていくのだった。
恋愛経験も、というより恋愛経験しかない小野寺にとって半年どころか
3ヶ月も・・月日ではなく、ふたりの関係を紡ぐ時間が圧倒的に
少ない段階で、結婚を前提にという言葉はどうにもこうにも違和感が
あり、もちろん相手に好意もあり誠実に向き合っているつもりだが
それとこれは別で、腑に落ちるものではなかった。
またお互い面識すらなかった自分たちの出会いは人を介しての
紹介という名の見合いのようなもので、よくよく考えてみると、彼女の
ほうも自分のほうも自ら相手を熱望して紹介者に頼んだものではない。
そうやっていろいろ考えているうちに小野寺には見えてくるものが
あった。
桂子の気持ちが自分にどれくらい向いているのかが分からずに
いるから、きっと自分は積極的になれないのかもしれないと。
知らず知らず、そっかーと、手を叩いていた小野寺だった。




