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大人の恋心 (『あなたに恋しました』スピンオフ)  作者: 設樂理沙


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33/83

大人の恋心 33

33.


" Two Cups Of Coffee コーヒー "



 「桂子さん、いろいろと複雑な気持ちを抱えて子供時代を

やり過ごしてきたんですね。それじゃぁさぞかし、しんどかった

でしょ」


 「ええ、かなり。しんどかったです」



 「だけど今はこんな素敵なお城に住んでて、仕事もあって

充実しているように見えます。話を聞いて、子供時代の淋しかった

桂子さんのところに行って慰めてあげたいって思いました」



 「わぁ~、ほんとですか、ありがとうございます。ほんとにあの頃

慰めてくれる人がいたらどんなに良かったかって思います。

 小野寺さんって優しい人なんですね」



 「ははっ、否定はしません。取り柄はそれくらいしかないので」



 そこまで話したところで、キッチンカウンターの向こう側でお茶の

用意をしていた彼女からコーヒーが入りました、と声が掛かった。




 「すみません、コーヒーセット、テーブルまで運んでいただいても

いいでしょうか? 」


俺がキッチンカウンターまで取りに行きテーブルに乗せると

彼女もこちらに来てソファに腰掛けた。


 「すみません、お客様をこき使ってしまって」


 「これしき、大丈夫ですよ」



 俺は二人分のコーヒーカップセットをお盆から取り出して

各々の前に置いた。



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