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それから1ヶ月。


屋敷には何も起きず、私は普段通り過ごしていた。





屋敷には何も起きず!!



そうなのだ。

あれから1ヶ月間、私はずっと兄弟達が来るのを待っていた。


しかし、兄弟達が来るのはちょうど今頃の季節のはずなのに、まだ何も起きていないのだ!!



おかしい……



お父様にも相談してみたが……


「跡継ぎ?リリーはもうそんなことを心配してくれるようになったんだね。

ありがとう。

リリーは何も心配はいらないよ。

えらいえらい。」


と、私の頭を撫でる始末。


そんなことないから!!


私にとってはこれからの人生がかかっている出来事なんですよ!心配しかない!!


私は待つことが前世からとても苦手だった。



しかも、私の人生がかかっているとなればなおさら!!



もう待てなくなった私は、あることを思いついた。


あ、じゃあ私が連れてくれば良くない?


と。


兄弟達はリリアーナの父親が屋敷に連れて来た。


と言うことは、最終的に屋敷に連れてくることができれば誰が連れてきてもいいのでは?


私天才!

その手があった!


よし!


思い立ったら即行動が私の真骨頂!

早速、お父様に掛け合ってみよう!


「お父様?私、貧しい人達をこの目で見て勉強をしたいの!

 ……………ダメ……?」


って上目遣いで言ったら、最初は困った顔で断られたが何度も言ってみたら、オーケーでしたよ!


さすが娘に甘々なお父様!

フッ、チョロいな



しかし、念押しもされた。



「あそこはね、本当にヒドい場所なんだよ。

もしかしたら、リリーはショックを受けてしまうかもしれない。

 それでも行くかい?」


私は元気よく頷いた。


もちろん!


私の未来の兄弟達があそこで待ってるからね!


行かないという手はないよ!


そうして、私達親子は護衛を連れてスラム街に行くことになった。


もちろん、服装はボロボロの服で他のスラム街の人達に怪しまれないように変装した。



このままで行ったら目立ってしょうがないもんね!



さぁ!

未来の兄弟探しの旅へレッツゴーだよ!


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


私達はスラム街へは馬車で移動をした。


もちろん、お忍びなので馬車も質素。


「やはり、こんな馬車はイヤかい?」


とお父様に心配そうに聞かれたが、私は全然気にしなかった。


むしろ初めて乗る馬車だったので、スゴい楽しかったです!!


そうこうしている間に、スラム街に着いたようだ。


入り口に立っただけで、もう悪臭が立ちこめていることで、ここがどんなに最悪な場所かが改めて分かった。


まさかこんなにヒドいなんて………


私は、今まで浮かれていたことを反省した。


「いいかい?

ここにいる人達を見たり、目を合わせてはいけないよ。絶対にお父様の側から離れないように。」


「はい。」


こうして、私の兄弟探しが始まった。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


う~ん……

見つからない……


どこにいるのかな~?


スラム街は自分で思っていた以上に汚い場所だった。


腐敗したゴミ、食べ物が欲しいと縋ってくるガリガリに痩せ細った人、倒れた状態で腐っている死体……


奥に進めば進むほど匂いは強くなり、もはや吐き気すらする。


あれから一時間くらい経ったが、一向に兄弟達は見つからない。


もしかしたら私、場所間違えた?


スラム街なんてどこにでもあるだろう。


ここ以外の場所に彼らはいるのかもしれない。



どうしよう……

このまま見つからなかったら、無駄足になってしまう!!


とにかく私は周りを懸命に見渡して、ゴミ箱の中や道の隅、裏通りの方などをお父様から離れない程度に探し回った。







はずだったのだか……







どうやら、私はお父様とはぐれてしまったらしい……


え!?ここどこ!?


お父様がいない!!護衛の人も!!


しかも、さっきまでいた場所以上にここってヒドくない!?

もはや、生きてる人がいないレベルに!!


ヤバイヤバイ……これは本気でヤバイ!!


「早くここから出なきゃ……」


と、呟きながら下をふと見てみると………







2人の子供がうずくまって地面に座っていた。







あれ?

この景色、見たことある気がするような……


私は思わず、彼らの顔を少しだけ覗いて見た。


ボロボロのフードを被っていて、その上汚れてしまっていたため最初は分からなかったが、彼らは確かに白い髪をしていた。


あ、あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!


こ、この2人ってまさか…………!



私の探してたヤンデレ兄弟達じゃない!?



「ね、ねぇ…!あなた達、ここで何してるの?」


私は興奮を抑えつつ、彼らに話しかけてみた。


すると、彼らはゆっくりとこちらを向いた。


少し大きな子の方は私を睨みつけるような目で、もう1人の小さな子はビクビクと怯えるような目でこちらを見た。


「は?

 お前、誰?」


大きな子の方は、小さな子を庇うようにしながら返事をした。


彼らの髪はやっぱり白色で、瞳は金色とブルーだった。

 


間違いない!!



レイナルドとランスだ!!!

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