レイジの抵抗
太陽の腕でレイレイの左腕を投げ捨てる。強力な武器ではあるけど、今の状況で着けたまま戦えるほどの馬鹿では無い。武器も無いし、闘気も少ない……それでも何とかしないと……!
「ソレジャ、ナンバー01。任セタヨ?」
「オウ、姉貴。任セロッテ!」
フェルを麻痺させながら、レイレイは来た道を引き返す。急いでフェルを助けに行きたいけど……焦れば負ける。このナンバー01って呼ばれた奴は喋った。普通の戦闘人形でも苦戦したのに、コイツは普通ではない。
「急ガナクテイイノカ? アノメイド、ドウナルカ分カンネーゼ?」
「あまり、怒らせてくれるなよ……!」
身体強化が無かろうと……刀が無かろうと……俺にはこのフェルの義手と、天照によって速さに慣らされた目がある!
まずは左足で跳び、右足で相手の肩に前蹴り。腕の無い左の方向に躱されるが問題ない。蹴り足を無理矢理踏み込み、体を捻ってナンバー01を正面に捉える。素早いワンツーを避け、その胴体に右拳を叩き込む。ナンバー01はヨロヨロと、後退して体に電気を纏う。
「ハッ…中々ヤルジャネエカ! ケドヨ、コンナ風ニ電気デ体ヲ纏エバ……ナッ!?」
電気を纏うだけなら、触れずに逃げてしまえばいい!
ナンバー01に背を向けて、通路を飛び出して、レイレイの後を追う。廊下を走り、ワイヤーがある場所を飛び越える。
「罠ニカケル気カ? 馬鹿メ、私達ニ……ハ……ア?」
音が出ないのに喋って位置を教えてくれるなんてな。攻撃してくださいって言ってるようなもんだ。
先に着地し振り返れば、一瞬だけ無防備に隙を晒すナンバー01の顔に隠し持っていたトラバサミを投げつける。トラバサミは顔に噛みつき、ナンバー01は足元のワイヤーに引っかかる。
「ガッ!? テメェェェェェエエエエ!?」
ワイヤーからは電流が流れ、ナンバー01を足止めする。ナンバー01が足を止めている間に、フェルの方へ向かわなければ!
フェルが何か残してないか……? あのフェルが何も残さずに連れ去られるなんてあり得ない。
「…………! よし、流石フェルだ。定番だけど、髪の毛を抜いて落としてくれてる」
フェルの黒髪らしきものが落ちている。しかも短い毛2本と長い毛1本で矢印を作ってくれている。流石に器用すぎるんじゃ……?
とにかく、今は魔力探知も使って逃げ延びなければ……! まずは魔力探知使って索敵しなきゃ。
「周りにはさっきのナンバー01が止まってるくらいか?少し、確認をしよう」
こっそり拾った罠はもう無い。武器も無い。有るのは闘気と太陽の腕・模倣品に義足だけ…………やっぱ、レイレイの腕外して持ってくれば良かったかな?




