技術革新国 ヤパン
東京のようなビルの街。馬車が主な移動に使われているハインリヒでは見る事の無かった自動四輪車。驚くべきことは、魔力を感じない。このシェーンの世界で魔力を使わないで、新たな技術で暮らしていると言う事か?
「驚いたな、レイジ? この国、俺が来る前からこうなってんだぜ?」
「ショウが来る前から!?」
「ああ。余りに未知すぎるから他国では使われてないけどな」
視界に広がる車、スマートフォン、店の中ではレジやエアコンって……あれコンビニか!? 異世界なのにコンビニがあるよ!?
本当に……ここに魔力、神力、闘気を使わずに済む義手と義足があるんだろうか……?
▽▽▽
フェルと仲直りし、これからの予定を話し合っていた。ネルガとレオはフェルの転移で一足先に帰る。天照とカガミは主に俺がぶっ壊した天の岩戸の修復。俺はフェルとヤパンの都っぽい場所の観光に行こうかと、天照から観光雑誌を受け取って読んでいる時だった。
「レイジ、フェル。お前ら義手と義足を探しに行くんじゃないのか?」
「んー……別にフェルも戻ってきてくれたしなぁ……」
「ですが、持っていても良いのではありませんか?」
あれ、意外とフェルは肯定的なんだな? なんというか、開き直って手足無くても良いかなって思ったし……というか、今回の戦いで肩ごと左腕切り離されるわ、鎖骨骨折するわ、目は潰されるわ、筋肉痛が酷いしでもう自分の力で戦うのは懲り懲りなんだけど。
「戦うレイジ様、格好良かったので」
「よし、どこにあるんだ!?」
「お、おう……まあ……明日案内してやるよ」
フェルにそんな事を言われてしまったら……手に入れるしかないじゃないか! それに戦えないで後悔するような事が無いように、戦う手段が欲しくない訳じゃない。
△△△
そういうわけで、俺とフェル、そしてショウとカグヤの4人でヤパンのとある場所に来ていた。俺は体中が筋肉痛の為、カグヤに押してもらって車椅子で来ている。
出かける時、フェルとカグヤがどっちが車椅子を押すかで呆れるほどに喧嘩していた。結局、フェルにはまた我慢してもらったが。
「ここがヤパンの電気街アキバって言うんだ。レイジには馴染み深い名前じゃねえか?」
馴染み深いって……別に地球に居た頃に秋葉原に詳しいとか、よく行ったとかではないけど、そこまで知らない訳じゃない。でも、まさか……ヤパンの街の名前として残っているなんて。
天照も残っているし、もしかしたら他に地球に関する名前が残っているかもしれないな。
「……レイジ様、お下がりください」
「どうかしたのか?」
「カグヤ……レイジを離すなよ」
「うん……分かってる」
「おいおい……何に警戒してるんだ?」
目の前に居るのは、ただの女の子だろ? なんで、3人とも、そんなに本気で構え始めるんだよ。




