天の岩戸を攻略せよ 復活
誰かが力尽きた俺の前に立って、フェルの光線を防いでくれる。いや、誰かなんて解ってる。あの喧しいけど心を支えてくれる笑い声はあの男しか有り得ない。
「レイジ様。貴方が1人従者の為、命を賭してそのお身体で困難に立ち向かってるという事実。居ても立っても居られなくなり、走って駆け付けました! ここからはこの私、ネルガ・アノルドが貴方の筋肉となり筋肉となりましょう」
「たの……む…………」
なんて頼もしく、力強い言葉。そして、なんて安心できる存在感。これが英雄と呼ばれる男……か。ネルガの背中が見える気がする……多分、服は着てなくて、腕を組んで仁王立ちでもしてるんだろうな。
誰かがボロボロな俺の体を支えて、治癒系の魔法で傷口を塞いでくれる。この魔法は……きっとレオだろうな。
「良し……目は開くか? 応急処置は済ませたはずだ。ゆっくり開けてみろ」
レオの声に従って、静かに目を開く。体の痛みは少し楽になり、左目も見えるようになっている。心配そうにこちらを見ていたレオに微笑む。レオは安堵の表情を浮かべると、俺の体を立ち上がらせる。
「レオ、待ってくれ……」
「なんだよ、ここに居たらおっさんの邪魔になるぞ? 気絶した嬢ちゃんなら、今は起きて部屋の外に……」
「そう……じゃない。俺は……ここに居たい」
フェルの事も心配だし、ネルガの背中を見ていたい……無茶なお願いだが、レオは何も言わずにネルガとフェルの方へと向いてくれる。
なんとか、立てる。なんとか、生きてる。なら、後は勝ってもらうだけだ。
「ドケ……キサマニヨウハナイ!」
「貴方はそうでしょうが、私もレイジ様から頼むと指示された身。少々お付き合いいただきましょうか!」
フェルとネルガが同時に踏み出し、物理的に殴り合い始める。一撃一撃の余波が凄まじい。けれど、天照との修行のおかげで、見える。
見えるけど……何だこれ。お互いに防御をしていない。避ける素振りもない。純粋な力比べ……
「自然治癒促進剤と魔力回復促進剤だ。黒髪の男から預かっといた。飲んどけ」
レオが口に2つの小瓶を差し出してきたので、両方の中の液体を飲みこむ。痛みが更に薄れ、体に闘気が漲ってくる。義手と義足に感覚が戻り始め、なんとか動けるようになってきた。
「行けますか、レイジ様?」
殴り合いを止め、下がってきたネルガが俺に声をかける。立ち上がり、フェルを見つめる。
そうだ、俺がやらなければ……! ネルガとレオは大事な従者で今は俺の武器。使い手の俺も戦う!
「オレは無理して欲しくないんだけどなー……」
「ハッハッハ!男には退けぬ時があるのさ!」
「レイ……ジ…………サマ」
「ああ…………第二ラウンドを、始めようか……!」
学校の予定が詰まってきたので本日も午前6時のみ投稿となります




