天の岩戸を攻略せよ 絶望と希望の狭間
右腕は握れる……両足はしっかりと地面を踏みしめることが出来る……闘気は大分減ったが、まだまだ戦えない訳じゃない。
「俺はお前が大好きだぁぁあ!」
右手で太陽烈弾を放ち、フェルの心へと訴えかける。直撃こそしたものの、フェルは頭を押さえながら、何かを振り払うように頭を振り乱し、こちらを睨む。
とにかく、今のフェルは正気じゃない。黒い瘴気を取っ払って、気合で落ち着かせてやる!
「キエロォォォオ!」
「ッ!? ……太陽光線!」
フェルが太陽の剣を瞬時に呼び出し、剣先から光線を撃ち出してくる。こちらも対抗し、太陽光線で相殺する。なんて威力だ……全力で撃っているのに……押される!?
「ぐああああああっ!」
光線に押し負け、体が闘気の奔流に呑みこまれる。体が焼かれ、痛みに引き裂かれる感覚。光線は終わり、俺は膝から崩れ落ちる。
なんとか……耐えられないレベルじゃない……な。
「マダマダ……」
ダメージで怯んでいる俺の首をフェルは正面から掴み上げ、持ち上げた。思うように呼吸が出来ず、じたばたもがくがフェルは俺を離さない。近付いてくる太陽の剣……まさか!?
「ヒダリメカラダ……」
「~~~~~~~~ッ! っっっあああああああああああああ!」
左目を襲う激痛に声は声とならなかった。目を刺された痛みが、目の奥へ奥へと突き進んでくる。視界の半分が奪われた……もう片方を奪われるのはマズい! ここは自爆覚悟で……やるしかない。
「超新星!」
「アアアアアアアアアアア!?」
俺とフェルの間から闘気を大爆発させる。受け身、自爆ダメージを度外視した闘気全開放の大爆発はフェルを引き剥がし、俺を壁に叩き付けた。背中に衝撃が走り、息がグッと詰まる。体は地面に無様に落ち、手足の感覚は無くなった。
これじゃあ……俺は戦えない。カグヤもまだ目覚めていないのに……闘気を使い果たして、義手も義足も動かない。弱ったな……あんな啖呵切ったのに、まだまだペース配分とか、使える闘気の少なさ…全然考えてなかった……フェル……俺を殺させて…………ごめん。
「サア……コレデオワラセル」
反対の壁からフェルがゆらりと立ち上がる。揺らめく黒い瘴気は濃くなり、激しい闘気がフェルの体から溢れだす。その右手は当然、俺へと向けられる。放たれる、躱しようのない光線。ゆっくりと光線は迫ってくる。
結末だけは変えられたかな……ああ、でもフェルには生きていて欲しい。後を追わないで欲しい。だから、言葉にしよう。
「フェル……許されるなら……また、君と…………」
もうです……瞼も開けていられない…………さようなら…………俺じゃ力不足だったよ。太陽の腕なんて貰って浮かれてたんだ。だから俺には、この結末がふさわし……い…………
「おいおい、諦めるにはまだはえーぜ?」
…………この声は……?
「ハーハッハッハッハッハッハ! その通りですな!!」
…………ああ、この声は……!
次回の更新は6月23日の午前6時となります。
誠に申し訳ありません




