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天の岩戸を攻略せよ 勝ち目なき戦い

 きっかけは天照の言葉だった。天照は俺達の信頼を歪と言った。俺は悔しくて……天照の言った通りに、フェルの収納を覗いた。結果はご覧の通りだ。フェルは離れ、俺はフェルを疑ってしまった。けれど、答えは出た。俺はフェルを信じて頼る…………信頼する!


「久しぶりだなぁ……フェル」


「お久しぶりでございます、レイジ様」


 フェルの表情から感情が読み取れない。正に無の表情だけど、俺には分かる。今のフェルは何かおかしい。俺の言葉を聞いているのだろうか?

 突然、フェルが動き出した。俺へと一直線に向かってくる。全身に身体強化を施し、紙一重で避けた…………はずだった。


「ぐあっ!?」


「レイ君!」


 避けたはず……だったのに、俺の体が吹き飛ばされた。風か何かを纏っていたのか……!? 魔法に気付けなかった。こんなに実力差が有るなんて……!


「レイジ様を気軽に呼ぶなぁ!」


「くっ……キャッ!?」


 フェルはそのままの勢いで右腕に闘気を纏ってカグヤに向かって腕を薙ぎ払う。カグヤは闘気を纏わせた刀で受け止めるが、一瞬だけ拮抗して、吹き飛ばされた。

 当たり前だけど……フェルも闘気持ちだよな。神から創られたフェルが神核を持ってないわけがない。でもまさか、いきなり攻撃してくるなんて……!


「レイジ様……この程度では話になりません。もっとです、もっと強くなってください!」


「おいおい……いつ全力だって言ったよ…………?」


 太陽の腕をカタカタ震わせながら、なんとか立ち上がる。纏われた風に吹き飛ばされただけで、このダメージ……まともに受けて吹き飛ばされたカグヤは……なんとか立ち上がれている。刀に闘気を纏わせていたのと、衝撃の瞬間に後ろに跳んで背中に闘気を集中させてダメージの軽減に成功していた。それでも、無傷とは言い難い。


「身体強化……闘気解放、右腕に集中……疑似左腕作成……全力はここからだ!」


 半身で拳を構え、待ちの姿勢を取る。しかし、俺の目の前からフェルは消えた。


「後ろ!」


「ハァッ!」


 気配を探り取り、即座にしゃがむ。頭上を何かが横切り風が吹き荒れるが、身体強化で何とか腕一本と両足で踏ん張れる。二撃目を警戒して振り返りながらバックステップで距離を取る。

 良し、フェルが消えた時は高確率で後ろに横薙ぎが多い。ショウが微かに視る事の出来た未来の統計だ。


「隙……あり!」


「甘い!」


 フェルの真後ろから、自然治癒促進剤(ポーション)を飲み干したカグヤが斬りかかる。しかし、フェルはカグヤを見ずに刀を避け、闘気を纏わせた膝蹴りをカグヤの腹部に叩き込む。


「ゴフッ!」


「面倒ですね……割れろ」


 カグヤは放物線を描き、壁に叩き付けられる。フェルがカグヤを睨み指を鳴らすと、俺の腰辺りとカグヤの方から何かが割れる音が聞こえる。

 やられた……魔力回復促進剤(プロフィ)自然治癒促進剤(ポーション)も破壊された……これで回復する手段はもう無い。カグヤは動く事は出来そうにない。


「レイジ様……邪魔者は消えました」


 俺1人で……フェルと戦わなければならないのか……!

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