天の岩戸を攻略せよ 1日目の終わり
魔力回復促進剤の効果は凄まじく、既に弱体耐性の魔法を発動しながら、太陽の腕だけなら動かせるようになっていた。即座に太陽の腕が飛んできて、俺の腕となる。
カグヤは少し残念そうな顔をしていたが、俺からしたら羞恥プレイも良いところだ。感謝はしているけど、他人の奥さんに子供扱いされるのは勘弁願いたい。
「ご飯はあるか?」
「勿論、いっぱい取ってきた」
そう言って、カグヤは色々な物を異空間収納から取り出す。魚や果物の缶詰に、新鮮そうなキノコに、見事に仕留められた鳥。
鳥? このダンジョンは妖怪っぽいモンスターを数体見かけたけど、その中に鳥系のモンスターはいなかった気がする。動物なんて、ダンジョンにはいるわけが無いし。それにキノコ……それはいくらなんでも地雷すぎるだろ……
「安心して……毒は治せる!」
「消毒!」
太陽の腕の指先から、太陽光弾とも言えない程の光弾で怪しいキノコを消滅させる。カグヤはショックな顔をしているけど、仕方がない。そんな危険な賭けで即死系キノコを引いたら困る。失われた命はフェル位しか取り戻せないんだぞ!
「ああ……キノコ……」
「仕方がないだろ……で、その鳥は?」
「これはショウから」
おっ、ショウが渡したって事はなんか特別な鶏肉だろうな。アイツが意味の無い事をするわけがない。
「桃太郎の雉って言えば分かるって」
「雉!?」
信じられない! 雉!? あの時の桃太郎の件の!? いやいやいや、これは酷すぎるだろ!?
◆
何日が経ったのでしょう……貴方の声が聞こえません。今朝、久しぶりに貴方の声を聞きました。けれど、私は会いたくない。私は貴方から自由を奪った裏切りの従者なのですから……
(本当にそうだろうか?)
「そうに決まっています。私はレイジ様を裏切った! きっと、失望と憎悪のままにここに来たのでしょう!?」
(フゥ……何を言っても無駄だな……ではここから逃げるのか?)
逃げる……そんな事はしてはならない。レイジ様への裏切りを死をもって償う。これこそが、私に出来る最後の奉仕行為。そしてこの無限の魔力を宿した魔核をお渡しすることが、私の最後の役目。
「逃げるなんてしません。私はレイジ様の憎悪を受け入れて散る……所謂、悪の終わりが相応しいのです」
(もう良い、眠れ。レイジも今の貴様は見たくないだろう)
「そうですね……レイジ様には醜い姿は見せられません」
天照様のお身体に身を預け、目を閉じます。
あぁ……レイジ様、今日も貴方を愛しています。たとえ、貴方に憎まれていても……
(……見届けなければならぬ。このような事になったのは、我の責任。世界が果てようと、我は貴様らを守り続けよう。それこそが天の岩戸の役割……)




