天の岩戸を攻略せよ 休息
シャワーが浴びたい。汗かいたし、左肩の傷口も清潔にしておきたい。
「太陽の腕がな……」
浴びれば良いのでは? と、思うだろうが浴びる事は出来ない。フェルから義手や義足を濡らさないようにと念を押されている。これが本当なのか、俺に頼られる為のフェルの嘘なのかは分からない。なので、1人でシャワーを浴びれない。
「闘気の腕は?」
「もう闘気を使う余裕が無いよ」
「一緒に入る?」
「それだけは無理」
何が悲しくて友人の奥さんにそんな事を頼まなきゃいけないんだ。それを選ぶくらいなら太陽の腕を…
アレ? 腕が動かなくなって……足の力も抜けて……来た?
「レイジ! 大丈夫!?」
崩れ落ちる体をカグヤが咄嗟に支えてくれる。その衝撃で右腕がゴトリと床に落ち、ズボンからも義足が外れて引っかかる。
闘気が完全に切れた。読心どころか、首すら動かせねぇ……風呂以前の問題だ。
「悪いけど……ベッドまで頼む」
「それは不衛生。体が動かないなら好都合」
そう言ってカグヤは、俺の義手と義足を机に置く。俺をお姫様抱っこで軽々持ち上げ、何処かへと向かって行く。
待って、これベッドの方向じゃない! だとしたらこの方向は!
「タオルは巻く。必要なら目隠しでも要る?」
「そういう問題じゃないんだよぉぉぉぉお!」
◆
クソ……凄いさっぱりした。抵抗は身体強化で抑え込まれ、目隠しされ、何故か用意されていた水着を履かされ、とても丁寧にシャワーを浴びさせてもらったよ……フェルよりも丁寧だったよ。
「子供をお風呂に入れた時を思いだした」
「子供がいるのか?」
「うん、今は11歳くらい」
小学生くらいか……って待てよ? カグヤは見た目14歳くらいなのに、子供がいるって……コイツ何歳だ?
椅子に座らされ、髪の毛をタオルで拭かれる。この慣れた手つきに子供がいるのは納得できるけど……俺よりも少し小さいくらいなのに子持ちって……
「子持ちって……年齢は?」
「32歳。ショウと同い年」
32歳……? というかショウと同い年!? これが合法ロリ……こんな事が認められて良いのか……? いやでも、中身は大人だし……俺の2倍……?
体は未だに動かず、カグヤにリビングの椅子に座らせてもらう。また自分で動けないなんて……嫌な気分だ。
「子持ちだったなんて。見た目だけなら年下だと思ったよ」
「そしたらショウは犯罪者だよ」
見た目だけで見れば、ショウとカグヤは……夫婦と言うよりは親子に見える。子供か……俺にはまだ考えられないな。欲しいとは思うけど、俺自身がまだまだ子供だし…………大丈夫……だよな?
カグヤが異空間収納を開き、青色の液体の入った小瓶を取り出す。蓋を開けると、俺の口に注ぎ込んだ。なんだこれ……味の薄いスポーツドリンクの味がする……
「んぐっ……これは?」
「魔力回復促進剤。魔力や神力の回復を促進してくれる。闘気の回復も促進してくれる」
良かった……闘気の回復が促進されるのもだけど、味がマズくない。これなら自然治癒促進剤の味もマズくは無さそうだ。常用できる薬がマズいなんて、絶対に嫌だからな!
そんな事(クスリの味の事)言ってる場合じゃないだろ!!!




