表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
27/591

レイジ“男爵”の領地視察 代用品へのヒント

 俺とフェルは現在、このスギヤの街一番と呼ばれる鍛冶屋に来ていた。ミハエルとマリアちゃんには、先に領主の館へ言ってもらっている。

 この領地は香辛料だけでなく、調味料に優れている。そのおかげで、そこらの貴族の領地よりも良い店があると、ミハエルが言っていた。ならば、義手義足の製作は出来ないか、鍛冶屋に聞いてみることにした。


「いらっしゃい!スギヤの街一番の工房、ティール工房へようこそ!」


 店に入ると、当たり前だが武器や防具が並んでいる。剣や斧、盾に鎧。鎖鎌や三節棍なんて珍しいものまで並んでいる。

 出迎えてくれたのは、頭にバンダナを巻いたオレンジの髪の青年。俺より3~4歳は年上に見える。


「初めまして、貴方がティール工房のトップか?」


「そうだ。俺がティール工房のトップ、アグラ・ティールだ。お兄さんは何をお求めかな?」


 アグラが俺に笑いかければ、白い歯がキラリと輝く。

 この人アレだ。地球で言うコミュ力の塊だ。クラスに居ればリーダーで有りながら、クラスカーストを産み出さない最強のイケメン。俺のクラスにもこんな奴居たなぁ……


「俺はレイジ・スギヤ。一応、最近領主になった……のかな? こっちはメイドのフェルだ」


「領主様だったのか!? そういや、噂で車椅子の少年と銀髪のメイドって聞いた気がするな……」


「頼りないと思うけどよろしく頼む」


「いやいや、こちらこそよろしく……お願いします」


「敬語じゃなくて良いよ。多分、俺の方が年下だからな」


 年上から敬語を使われるなんて違和感が酷くて仕方ない。偉そうにしてるなんて、俺には出来ないし、領地の人とは友達くらいの感覚で居たい。


「そうか? じゃあ、そうさせて貰うわ。……そうなると、ご要望は義手と義足って所か?」


「……凄いな。その通りなんだ」


「自分で素材を調達することも多くてね、些細な事に敏感なんだ。レイジ……男爵が、剣や鎧に目移りしてる時、鎧の手足だけ一瞬長く見てたからな」


 なんて洞察力だ…鎧の手足だけ一瞬長く見てたなんて、俺の無意識の変化に気付いたって事か。


「ちょっと、店の奥に来てくれるか?」



 店の奥の工房のような場所に案内される。アグラが上半身の服を脱ぐように言ったので、フェルに脱がして貰う。

 ……人前で脱ぐなんて、恥ずかしいな。まあ、ネルガに風呂に入れてもらった時、だらしない体ではなく、むしろ若干筋肉がついていたのは確認したけど。


「どれどれ……失礼するぞ」


 アグラが俺の体を触り、観察を始める。フェルがアグラを睨んでいるが、俺はホモじゃないのに何を睨んでいるんだ?

 ちょっと、くすぐったいな…ですか


「これは……」


「何か分かったか?」


 アグラは俺の腕の末端やお腹を触り、首を横に振った。


「結論から言うと、俺の作る義足や義足じゃ無理だな」


「……素材でしたら、私が何とかしますが…?」


「素材は問題ない。俺でも採取可能だ。問題はレイジ男爵の傷跡だ」


「傷跡……?」


 アグラが手鏡で俺には見やすいように腕の末端を映してくれる。そこに切断面は無く、皮を伸ばしてまとめて塞いである。


「切断面が有るなら、そこから神経を繋げる義手が作れる。しかし、レイジ男爵の体は切断面を塞いである。まるで、義手を着けさせないようにな」


 改めて傷跡を見てみる。まるで、最初から腕が無かったかのように中途半端に腕の先が丸くなっている。


「それなら、魔力で動かす義手はどうだ? そういうタイプの魔道具(きかい)は有るって聞いたぞ?神経を繋ぐ事は出来なくても、この上から装着できるような義手なら……」


「それは俺も考えただが……ここの傷は知ってるか?」


 アグラが指したのは、俺の腹筋にある傷痕。ネルガとの風呂で気付いたが、中々治りそうもない傷痕がついている。

 多分、手足を取った奴が何かした傷だと思うんだが……問題なんだろうか?


「ここは魔力の源、魔核が有る場所だ。少し魔力で探ったんだが、レイジ男爵……アンタ、魔核が無くなってる」


「魔核が……無くなってる?」


「魔核が無ければ、体から魔力を産み出すことは出来ないし、体に魔力を貯める事も出来ない。装着できる義手は作れても、他人に常に体を触れてもらって、魔力を供給してもらわなければ動かせないだろうな」


「そんな……」


 異世界に来て魔法に憧れた。手足が無いから、その分魔法に憧れた。その希望は打ち砕かれたんだ。手足を、俺の自由を奪った奴によって。


「ただ、希望はある。東の国ヤパン。そこなら魔力を不要とする魔道具(きかい)があるらしい。その技術で作られた義手なら、レイジ男爵でも扱えるかもしれないな」


「そうか…有用な情報だ。ありがとう」


「何も出来なくてすんません……」


 ヤパン……魔力を不要とする魔道具(きかい)。スギヤの街に来てよかった。早めに魔力が無いことも知れてよかった。魔核が無いなら、魔核の代用品も探せば良い。諦めるにはまだ早い。


「………………ウフフ」

やっと魔法が使えないの回収できた……

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ