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勇者やめます。大魔王はじめました。第三話

第三話公開です。見てくれてありがとうございます。励みになります。

勇者やめます。大魔王はじめました。第三話


パカラッ、パカラッ、とドロウが森を駆ける。

「ひどいじゃなぁいですかぁ!旦那ぁちょっと悪ふざけしただけでしょぉ」

ドロウが恨めしそうにツバサを見つめる。

「うるさい、お前が言動をもう少し言動を改めたら済む話だろうが、ったくクソヤギいいから走れ」

そう言ってツバサは土から紐を作り出しドロウのお尻を叩いた。

「ひぃ!ひどい!俺だって元々こんなんじゃなかったんですよぉ…」

「ど、どういうことですか?」

レナーが口を挟んだ。まだ少し顔が赤い。

「召喚獣は主人の影響を受けるんでっせぇ俺だって元々はただ食べるのが好きなヤギの妖怪だったんですよぉ!それが旦那に帰伏してからこんなんなっちまって、つまり旦那はむっつりドスケ」

「黙れ悪食、このクソヤギお前は出会った頃からこんなもんだったろうが」

もう一度紐で尻を叩く

「ひぃ!ひどい!事実でしょぉ旦那!」

「うるさい!良いからとっとと走れバカヤギ」

「もう、ヤギ使いが荒いんですよぉ」

「(ドスケベ………)」

レナーはジトーっとツバサを見た

そんなこんなで走っていると森の景色が歪み霧に包まれ始める。

「座標が代わり始めようとしてますねぇ場所が入れ替わってしまいますぜ旦那」

ドロウはツバサを見る。

ツバサはドロウに術式をかける。

「権限を許可する。ドロウ幻術を食え」

「えっ食え?、ちょお父さんの術式を食べるってま、待っ」レナーがあわあわと困惑しているが

「飯ぃ!!」

森の歪みにドロウが喰らいつく、歪んだ空間が千切れる。千切れた箇所から空間が膨らみ風船のように弾けた。

パァンと音がする空に突如術式が見えるがひび割れたように砕かれた。

「んーーーー!!!うんっっっまい!さすがは初代魔王がかけた術ですねぇ、完成度が半端じゃないです。こんなに美味しいのを食べたのは久々ですねぇぇぇ」

ドロウは上機嫌で森を駆けている

「でも良いんですか?旦那ぁ?この術式結構大事なものだと思うんですけど」

ドロウがニヤニヤとツバサを見る

「そうですよ!何勝手してくれちゃってくれてるんですかぁ!?せっかくお父さんの大切な術式なのに何食べちゃってくれてるんですかぁ!?」

レナーが怒ってツバサに異議を立てる

「ならどうすんだよ、ランダムにジャンプ地点にでも飛んではいここが竜の里ですってか?んな主人公補正俺にはないわ!第一お前の目が使えてたらこんなことしなくて 」

ツバサはめんどくさそうにレナーを見るが、レナーの目に少し涙が溜まっているのを見て続きを言うのをやめた。

「…………分かった!悪かったよ、だからその目で訴えてくるのをやめろ」

「今度から何かしようとする時はちゃんと言ってください…」

レナー少し涙を溜めながらもツバサを見て言う。

「……分かった」

ツバサはバツが悪そうに視線をそらした。


暫く気まずい沈黙が流れる。


「あのぅ、旦那ぁ…」

沈黙を破ったのはドロウだった

「…なんだ?」

「迷いました」

「は?」

「え?」

ツバサとレナーが同時に声を発した。

「お前…知ってるんじゃなかったのか?」

ツバサはゴミを見るような目でドロウを見る。

「いや知ってるんですけどねぇ…?あれぇ?」

ツバサははぁと溜息を立てて顔を手で覆い空へと顔を向ける。レナーは考え込むように顎に手をやった。

ツバサは指の隙間から空の景色をちらりと見る。レナーはムーンが教えてくれた言葉を思い出したかのようにはっとする。

「おい見つけたぞ」

「あっ!分かりました!」

「竜の里は」

「空だ」

「空です!」

二人と一匹が空を見上げると空を雲のように移動する島があった。

「なぁレナーお前空飛べるか?」

「ええ、ツバサあなたは?」

「無理だ、飛行術なんて高等テクお前みたいに羽でもなければな、だが」

魔力がツバサの身体に満ちる 。地面がツバサの足を軸に2つの円を描く

「身体強化術なら、俺の十八番だ」

「ほら旦那ぁ!俺の勘に間違いはなかぁぁぁぃぁぁぁぁあ!!!」

ボォンと音が鳴り気づけばドロウを掴んで島に向かって飛んだツバサをレナーは見た

「けほっ、けほっ、はぁ…もう、」

レナーは黒い悪魔の羽を広げ島へと飛んだ。



竜の防人兵が門番をしている。

「くあああ、今日も暇だなぁ…」

「おい気い抜くなよ」

「だってさぁ毎日毎日…いっ!?」

一人が目をやると地面から手が生えたのを見る。誰かがこの竜の里に飛んできたのか?バカな!地面とは雲ほどの距離があるんだぞ?

一人の男と黒いヤギが竜の防人兵達と向かい合う、あとから黒い悪魔のような羽根を生やした少女が飛んできた。

「雑なんですよ旦那ぁ、舌噛みそうになりましたですからぁ」

「しょうがねえだろお前飛べないんだから」

「ちょっと置いて行かないでくださいよ、もう」

防人兵は困惑している。

「なっなんだ!お前たち!どうやって入ってきた!」


二人がちらっと防人兵を見る

「「飛んで」」

一人が唖然としているともう一人が槍をツバサたちに向けて言う。

「目的は何だ!何のためにきた!」

「私たち星神様に用があってきたんです。星神様は旅路や未来にヒントを与えてくれるって」

レナーが防人兵に言う。

「星神様に?……おい隊長を呼べ、荷物検査させてもらう、そこのヤギもだ!話ができるということは魔物だな?」

ギロリと黒いヤギを見る

「なっ失礼ですよねぇ!俺は立派な妖怪で!」

「違うこいつは俺の召喚獣、ペットだ」

「旦那ぁ!ペットって、ペットって、」

「良いから戻れ、ややこしくなる」

「はぁ分かりやしたぁー約束ちゃんと守ってくださいねぇ」

ドロウは焦げた炭のようになって消える。

「消えた!?本当に召喚獣だったのか…」

防人兵がたじろぐと兵たちと隊長らしき竜人がやってくる

「何をやってる、お客人だ、槍を向けるのをやめろ」

「で、でも隊長……」

隊長らしき竜人がツバサと握手する。

「失礼をお詫びします。私はカタンと言います。ここの防衛兵隊長をしておりますここに客人が来ることなんて滅多になくて、彼らも慣れていないんです。旅のお方とお見受けします。どうぞこちらへ、おいご案内しろ」

カタンは防人兵に目をやる

「随分警戒心が無いんだな?良いのか?そんな簡単に入っちまって」

ツバサ少し煽るようにカタンに言う。

カタンは微笑みながら言う

「ええ、まずここまで来れる方がそう多くいません、力の使い方を知っている方に悪辣方もいらっしゃいますがすでに星神様によって一目で分かりますので、それに」

カタンはレナーに目を向ける

「そちらの方は初代魔王様の御子息とお見受けします。」

「!!お父さんをご存知なんですか!?」

レナーはびっくりしてカタンに問う

「ええ、初代様の目によく似ております。そしてその魔力量、初代様が言っていたレナー嬢ですね?」

「はい!ティモル・レナートゥスです。こちらの愛想が悪いのはツバサです」

「うるせえ悪かったな」

カタンは少し微笑む

「ふふっ、初代様には特にお世話になりました。色々ありますが、一番は雲隠れの術を島にかけてくれたことですかね、我々の安全のために今でも深く感謝しております」

それを聞いて二人がピシッと止まる

「…………(やべぇ)」

「…………(どうしよう)」

「御二方どうかされましたか?」

「いいや!何でもないです!はい!続けてください!」

レナーは立て続けるようにカタンに話す。

「そうですか?ふふっでももう着きましたよ、ようこそ竜の里へ」


思ったより長くなっちゃいました。次も頑張りますので見てってください。

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