90.美しきは
皆さんが好きな手巻き寿司のネタは、何ですか?
鯛の塩釜焼きと手巻き寿司を堪能した夜、
「マスター、私ジャグジーに入りたいわ。」
というイヴの言葉で、皆でデッキに上がった。
広がるは満天の星。
美しく雄大な景色が修一らを迎えた。
「そういえば、水着は?」
「あぁ、そういえば…。裸でもいいのだけど。」
「…健全じゃないから、ちゃんと着ようね。」
脳内にカットインしてきた煩悩を何とか退ける。
「ふふふ。はぁい♪それじゃ、買って着替えてくるわね。」
「了解。」
女性陣が下りたのを確認し、修一もいそいそと着替え、ジャグジーの準備を始めた。
しばらくして、イヴたちが戻ってきた。
カウンターバーとジャグジーの間接照明が仄かに三人を照らす。
現れたのは三人の女神。まさに“佳人”というのに相応しい姿だった。
イヴは、彼女の目と同じ紫色の三角ビキニ。代表的な水着の種類ではあるが、完璧なプロポーションを遺憾なく発揮し、布地の紫に真っ白な素肌が美しく映えていた。リリシアに匹敵するバストに、彼女を超えるピップライン。きゅっと締まったクビレも相まって、偶像的な美しさを湛えていた。
一方でリリシアも、先日とは違う水着を着ており、彼女の清廉さを象徴するかのような、真っ白いビキニのセットは、胸元のリボンが可愛らしい、素晴らしいものだった。パーカーを羽織り、パレオを巻き付けることでさらにその純白感は増し、光彩によって照らされる彼女は聖女のような輝きを放っていた。
サーラは、黒いハイネックのクロスホルターにこちらも黒いフレアパンツを合わせていた。フレアパンツは、黒を基調に白いフリルがふんだんにあしらわれ、メイドを連想させるサーラらしいものであったが、その艶やかさは比類無きものだった。
「」
修一は、絶世の美女たちの神々しい晴れ姿に言葉を失くす。
「あの…マスター…?」
少し緊張したイヴの声にハッとする。
「ぁあ…ごめん。美しすぎて言葉を失ってた。皆、きれいだよ。…すごくきれいだ。」
「ふふ、よかったわ。」
「ありがとうございます♪修一さん。」
「ありがとうございます。あの…恥ずかしいので、あまりご覧にならないでくださいませ。」
「いや、本当にきれいだ。きっと太陽もこの目に映る世界を見られないことを、心底悔しがっているに違いない。明日日が昇るのは間違いなく君たちのためだ。」
「「「!?…♥」」」
修一の言葉を受け、次は女性陣が固まったが、次の瞬間——ふわり。
柔らかな風が過ぎ、修一は確かな温もりに触れた。
「お褒めいただき、ありがとうございます。そのお言葉、一生忘れません。」
サーラの忠誠を受け、
「修一さん、ありがとうございます。ちゃんと伝わりました。」
リリシアの慈しみに触れ、
「これから先何度だって、見られるんだから…マスター。」
イヴの愛に包まれる。
皆から伝わる体温は、優しく、心が暖かくなるのを感じた。
「ありがとう、みんな。…折角のお祝いだ。乾杯しようか。」
「「「ええ!(はい!)(はいっ。)」」」
*****
彼女たちの水着姿および体温を堪能した後、みんなでジャグジーに浸かっていた。
「今日は、こんなものを用意してみたよ。」
そう言って、修一が取り出したのは、シャンペン。
「それは葡萄酒ですか?」
「…に、近いものかな。」
フィルムと留め金を外し、ボトルを傾けコルクを左手で抑えながら、右手でボトルをひねる。
――プシュゥゥウ!
小気味いい音が響き、フルーティー且つ重厚な香りが鼻に届いた。
グラスの底を持ち、フルートグラスに注いでいく。シャンプータワーにすればさらに映えるだろうが、今回はグラスが4つしかないので諦めた。
細く高い繊細な印象のグラスに、透き通ったベージュゴールドが細かい気泡を上げながら注がれる。
「わぁ、綺麗です!」
「ええ、素敵ね。」
「(こくこく。)」
やはり見た目も美しいシャンペンは、女子ウケがよかった。
「それじゃ、イヴの人化を祝って乾杯!」
「かんぱーい!」「乾杯です!」「乾杯。」
そして味も間違いなく――。
「「「美味しい!((です!))」」」
「うん、美味しい。」
「みんな、今日は――いいえ今までも本当にありがとう。」
イヴが謝辞を述べる。
「これからもよろしくな。」
「ええ♪末永くね♥」
満点の星すら圧倒する、美しい笑顔だった。
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