表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/11

零&ユラ編 6

どうも、栗餡です。皆さん、お久しぶりです。

いきなりですが、投稿時間の変更をお知らせします。

この話をもって、投稿時間を、18時から、19時に変更させていただきます。

ご理解の程、よろしくお願いします!

「零、敵は感知できたか?」

「できたできた……12時の方向に2人、2時の方向に3人」

「了解した。突っ込むから、援護頼む」

岩場の茂みから、ユラが弾丸の如く敵に突っ込んでいく。零も、急いで弾を充填し、スコープを覗く。

「いた……そのまま動くなよ…………」

零の持つスナイパーライフル、{スティンガー・ウナム}からLv3貫通弾が撃ち出され、魔法をかけようとしていたプレイヤーの頭を吹き飛ばす。

「あパッ」

「そ、狙撃された!」「どこからだ! ?」

「そそくさ……はい、スキだらけ。もーらいっ」

移動しながら弾を再充填し、地面に転がったと同時に、ロクにスコープを覗かずに引き金を引く。

「グあっ!」

「ちくしょう! 奴はどこだ!」

「分からねぇって言ってんだろ!」

「〔マキシマムスラッシャー〕! !」

慌てる敵チームのド真ん中で、ユラの〔デュアルバレット〕から青い円が広がり、敵のプレイヤーを斬り伏せる。それと同時に、バトル終了を示すブザーが鳴り響く。

無属性の広範囲衝撃波を飛ばすトリック、〔マキシマムスラッシャー〕。ユラは、それを最近使いこなせるようになり、零から譲り受けた{デュアルバレット}で使えるかどうか試したそうである。

「お疲れ様。これで、決勝進出」

「フム……“キングバレット・オブ・チャンピオンシップ”では苦戦したが、ここ、“クレア・サマーカップ”なら特に武装制限がないため、好きな武器で暴れる事が出来るな。よし、休憩をとり、次に備えよう」

“キングバレット・オブ・チャンピオンシップ”の後、零とユラは(クレア)という、キレイなビーチで有名な街に立ち寄った。そこで、“クレア・サマーカップ”という大会があるとユラが聞きつけ、零は強制的に参加させられた。

「痛てて……」

「零?」

控え室に戻り、スポーツドリンクを口に含んだ時、隣に座った零が頭をさすっている。頭痛でもするのかと思い、手を伸ばしたユラの姿に驚いたのか、イスから転げ落ちてしまう。

「おい、どうしたんだ。お前らしくない……ぞ……? 零? おい、零! ?」

少しおどけて声をかけるが、反応がなく、体をゆする。それでも反応がない。

「どうした! ?おい!」

周りがザワつく中、控え室に医療係の人が入り、零をゆっくりと治療室へと連れて行った。試合開始まで、あと30分。多分、試合には間に合わないだろう。

そう思ったユラは、本部へ気持ちだけトボトボ歩いて行き、棄権することを告げた後、猛ダッシュで零の容態を聞きに行く。医者のいる部屋に飛び込み、勢い良くイスに座る。

「スマン! ぜ、零の……零の様子はどうなんだ! ?」

「お、落ち着いてください……彼なら、薬で眠ってます。今の所は、大丈夫ですよ」

「そ、そうか…………良かった」

医者が、“今の所は”を強調したのを聞いて、ユラは胸を痛めたが、零の安心を聞いて、胸を撫で下ろした。

「それでですね。ユラさん……零君は、全身に無理がかかっているようです。彼の体の筋肉は、ガチガチに固まっていましたから。あの状態で決勝戦に挑んでいたら…………」

「そうか…………バカ、なんでそういうことを、もっと早く言わなかったんだ…………」

「ですが、今はリラックス状態なので、あの状態が続けばいいんですが…………ユラさん、心当たりはないですか? なんか、零君が体に力を入れすぎることがあるようなできごとがあったとか」

「いや……そういう話は聞いていない。しかし、思い当たる節が、幾つかある」

「それは、なんですか?」

ユラは、(ウッキ)に滞在していた際、宿で零が話してくれた話を思い出しながら話し始める。


「零、最近よく体が痛いとか言っているが、なぜだ?」

「いや、対した理由じゃないんだよ。気にしないで」

「いや、パートナーとして、見捨ててはおけん。話せ。さもないとまた卍固めをキメるぞ」

「あわわ……はいはい。分かったよ……なんでかって言うのは、能力のせいなんだよね。ホラ、僕の能力の特徴、知ってるでしょ?」

「あぁ。確か、取り込んだ物質を、自身の体に適応できる。というものだったな。それがどうかしたのか?」

「うん……それのおかげで、血液とかからその人のDNAさえ取り込めれば、他の人の能力も使う事が出来るんだけど、そのせいで最近体がよく痛くなるんだよ。なんでかは分からないけどね?」

「取り込んだ能力を捨てる事は出来ないのか? 取り込んだ能力のせいと考えるなら、いくらか捨てればいいだろう」

「捨てる事は出来なくもないんだけどさぁ……結構痛いんだよ。自分の体抉らないといけないから体力持ってかれるし。抉るの自分でやらないと能力捨てた事にならないし」

「え、抉る…………」

「ね? 考えただけでゾッとするでしょ? だから、極力やらないように、能力を取り込む際は、よく考えて決めてたの」

「そうそう簡単に捨てられるものではない……か……」

「そ。だから、死にそうにならない限りはこのままで行くつもり」

「……フム、それなら構わんが、無理は絶対にするなよ。何かあってからでは遅いからな」

「うん。ありがと、ユラ。ふァ~あ……おやすみ…………」


「……という話をしていた記憶がある。つまり、零の能力の溜め込みすぎ……ということか?」

「ご理解が早くて助かります。さっきの話を聞いた限り、原因はそれでしょう」

「アイツ……無理をするなよ。とあれほど言っておいたのに……」

拳を固く握るユラの後ろから、看護師らしい女性の声が入る。

「先生、零さんがお目覚めになりました」

「分かった。本人に説明して、能力をいくつか捨ててもらおう……本人は辛いだろうが……ユラさんは、ここで待っていますか?」

医者の言葉に、覚悟を決めた顔のユラが立ち上がり、凛とした声で言う。

「スマン、先生……私が零に話す。それなら、アイツも納得してくれるだろう。それに、アイツには、まだ死んでもらうわけにはいかんのでな」

「…………分かりました。なんとか、説得してください。おい、案内してやってくれ」

「分かりました。どうぞ、こちらへ」

看護師についていくと、ベッドに横たわった零がヒラヒラと手を振っていた。いくらか回復したのか、水を一口飲んだ後に、口を開く。

「ゴメンね。あの時、無理は絶対にするなよ。って、言ってくれてたのにね決勝、棄権したんでしょ?」

「……そうだ。お前のせいで、台無しになってしまった。しかし、別に怒ってはいない。ただ、お前が生きていれば良い」

「ユラ……」

「でも、無理は絶対にするなよ。と言った私の約束を破ったことには、いくらか説教をさせてもらうぞ? 覚悟はできているだろうな?」

「はい……反省してます……」

それから延々と説教し、ユラは本題に切り出す。

「お前は、やはりいくつか能力を捨てなければならないらしい。このままいけば、お前は死ぬぞ。絶対にだ」

「…………やっぱりかぁ。もう少し行けるかなって思ったのになぁ」

「そのもう少しで、お前は死ぬところだったのだぞ? もう少し危機感を持て。お前の悪い癖だ」

「……分かった。3つ、能力を捨てる」

「よく言った」

日が落ち、周りが暗くなった頃、零の痛みに耐える声が病院の一室で響いた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ