4-4 アレクシス様がコスプレ !?
「キャーーーッ。どういうこと!?夢?夢の中ですか!?」
もう私は、興奮して何を話しているのかさえも分からない。
だって、目の前にいるんですもの!
あこがれのーーーーー
カイト様が!!!!!
「カ、カ、カ、カイト様ですか?」
私が前世一番の推しのカイト様。
コスプレしてまでなりきろうとした存在。
その推しが、なんと目の前にいる!
手が震えて、動悸が激しくなる。
嬉しさのあまり、思わずカイト様の周りを一周してしまった。
(夢じゃないよね?)
本物だ・・・・・
そう思ったら、涙が出てくる。
次から次に、あふれ出てくる。
「ぐずっ。カイトさまぁ~。ぐずっ。お会いできてぇ・・・ぐずっ。うれじぃですぅ。」
もはや、言葉にならない…
私は泣いていて、気づかなかったけれど、カイト様はカイト様で混乱しているようで・・・
一言も話せずに、後ずさりしようとしていた。
もちろん、逃がすはずもなく、カイト様の両手をぐっと握りこんだ。
とたんにカイト様の顔が赤く染まる。
「ずっとカイト様のこと、お慕いしていました。大好きです。」
私は、どさくさに紛れて告白してしまっていた・・・
(あれ?)
その途端、カイト様の雰囲気がガラッと変わった。
(なんか怒ってますぅ?えっ!)
カイト様は、私の手を振りほどいた。
そして、私との距離をぐっと縮めて来る。
(ち、近い!)
そして、さらに近づこうとするために、ぶつからないように一歩下がる。
そうしているうちに、私の背中が壁際についてしまった。
もう下がれない!!
ドン!
カイト様は両手を勢いよく私の顔の横についた。
(何この状況?な、なんか、壁ドンされてない?)
「ーーーーミリー嬢。
君の口から他の男の名前を聞くのは耐えられない。
呼ぶなら、私の名前を呼んでくれ!
私の名前はアレクだ。」
(え?アレク?え?アレクシス様????)
混乱して返事ができずにいると。
「呼んでくれないなら、この変装を解く。いいね?」
「え?待ってください。呼びます。呼びたいです。待ってください。」
私は慌てて、答えた。
「ん。んん。」
呼吸を整え、カイじゃなくて、アレクシス様をじっと見た。
「アレク・・・さ・ま?」
そう言った途端。
カイじゃなくてアレクシス様は両手で顔を覆ってしまった。
顔は見えないが耳が赤くなっている。
どうしていいかわからずにしばらくそうしていると、
カイじゃなくてアレクシス様は落ち着きを取り戻して、話し出す。
「ミリー嬢。私が誰だか本当に分かる?」
そんな質問をする。
「カイじゃなくてアレクシス様ですよね。もう、分かりましたよ。」
「私は、君にカイト様じゃなく、アレクシスとして向き合ってもらいたい。
だから、もうこの変装は二度としない!」
(なんと、そんな・・・・・・)
せっかく会えたのに、そんな無慈悲なことを言う。
「絶対また、カイト様になって会ってください。お慕いしているんです。」
私が、懇願するように両手を合わせる。
「嫌だ!他の男のことを好きになっているみたいに思える。
相手が自分だろうと嫉妬してしまうんだ。
君のことが本当に好きだから・・・」
(・・・・そうか。
もし、逆なら嫌だと思う。
自分の仮の姿だけを好きだと言われているんだものね。)
「ごめんなさい。
本当に失礼なことを言いました。
でも、私本当にカイト様のこと好きなんです。
これはファンとして応援したいという気持でもあります。
これからは、アレクシス様をちゃんと見ます。」
「アレク!さっき呼んでくれたでしょう?これからはアレクと呼んでほしい。」
さっきは必死だったから言えたけど、アレクシス様と面と向かうと言いにくい。
「あ、あれく・・・・さま・・・・」
カーーーーーッと体中に血が回るように熱くなってきた。
「ミリー。うれしいよ。これからは、私のこともっと知ってほしい。」
あれ?
いつの間に、私たち。
アレク様。
ミリー。
と呼ぶことになってる?
こんなに一気に近くなっていいの?
でもまあ。いいか。
「一つだけ、アレク様にお願いがあります。
ちゃんとアレク様としてこれから接していきます。
でも、たまには、1か月に1回くらい。いえ、2か月に1回でも構わないので、カイト様になってください。それが条件です。
あと、婚約が成立するまでは、他の人の前では今まで通り呼びます。いいですね。」
私も必死だ。
「まあ。たまには仕方がないか?でも、ちゃんと私を見てほしい。
呼び方については、仕方がない。分かったよ。」
そんなことを話すアレク様を見て、胸のドキドキが収まらなくなった。
仕掛け人はお兄様?なの?




