3-9 いつの間に?
誰もが言葉を失っていた
その時。
「ーーーそれなら」
ロイド様が、一歩前に出る。
そして、ひざまずいた。
「ミリーさん。いやミリエンヌ・エーデルシュタイン嬢。
私と婚約してください。」
なんと、場の空気を読まずロイド様がひざまずいて、右手を差し出した。
理想のプロポーズのはずなのにーーー
(今ではない
圧倒的に、今ではない。)
私をキラキラした目で見つめてくる。
ちょっとかわいいわんこの耳が見えた気がした。
「ちょっと待った!」
空気をぶち壊すように、
アレクシス様が割り込んできた。
(・・・・・は?)
(なんかの番組か?)
一瞬、頭の中が白くなった。
「それなら、もう内々には決まっているから無理だよ。」
アレクシス様が私の隣に来て、ロイド様を威嚇する。
(どういうこと!?)
「決まっているというのは、どういうことでしょうか?」
そこに、私の家族がすまなそうに寄ってくる。
「勝手に決めて、ごめんね。ミリー。
でもミリーをこのまま失いたくなかったんだ。
ミリーが家族から離れてしまうのが怖かったんだ。
ミリーはいつまでも私たちの大事な娘なんだから。
でも、まだ婚約を成立させてはいない。
なんとでもできるよ。
全てはミリーの気持ち次第だよ。」
お父様は、アレクシス様を試すように見る。
「私はーー
君が食堂を去ったとき。
私の目の前から君が消えたとき・・・
・・・・世界が、色を失った。」
一歩、近づく。
「だからーー
すぐに公爵家に婚約のお願いをしに行った。
私はもう君しかいないと決めていたから・・・」
アレクシス様が私しか見えていないように見つめてくる。
つまり、アレクシス様には私の正体を見破られていたんだ。
「でも、安心してほしい。
君の心を得るのが君の家族との約束だ。
私は、これから君に全力で行く!
覚悟してくれ!
君の心が私に傾くまで・・・」
(いや~)
(みんなの前でなんてこと言うの!)
「おまえが・・
珍しいものが見られた。
でも、お前の本気を見られて安心したよ。
今まで、何も欲しがらなかったから。」
アルフレート王が兄の顔でうれしそうに呟く。
いや、私の意志も少しは尊重してください。
「私は、今まで通り働きますからね。
もし、私の気持ちがあなたに向いたのなら、その申し出お受けいたします。
そうでなければ、私の自由を保障してください。」
私は、みんなの前で宣言する。
「・・・・それでも
私はあきらめきれない。」
ロイド様は、一歩も引かない。
「わた・・」
「お断りいたします。」
フレデリック様まで入ってこようとしたが
ーーー迷いはなかった。
・・・・なんか、
私の平穏が、
音を立てて崩れていく気がする・・・・・
本日のランキング
注目度 - 連載中の部で7 位にさせていただきました。
私もとても驚いています。
これも読んでくださった皆様のおかげです。
本当にありがとうございました。
これを励みにまた、頑張って書いていきます。
今後も応援よろしくお願いいたします。




