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35 声明

本作品は群像劇です、目線、日時にご注意下さい

7/13 22:00


(逃げ出してから この中でもう3~4日くらいだろうか?)


走っていた


長い廊下

階段

どこに行けば良いかも分からないけど


走った


狭い機械の隙間にも身を潜めた

良く分からない書類も読み漁った

気持ちの悪い生き物が沢山いる所も見た


怖くてよく見てないのもいる




多分


人間みたいなモノもいたと思う





(眠たい)





『人目のつかない様な所』にようやく潜伏出来た


(酷い臭いがする)


ここでも、、音なんか迂闊うかつに立てられない



でももう  今は  眠ってしまおう







7/15 13:00


どれだけ眠っていたのだろうか


付近まで人の声が聞こえた気がした


(恐らくもうこの中まで探されている)



もう   動かないと



覚悟を決めて汚い道を進んだ



汚水や薬品の匂いが鼻を突く


口で呼吸をする

けど 気持ちが悪くなる


何かのガスが発生している様で目も痛い





3時間くらい歩いただろうか


空気が変わるのが分かる


(外だ)


鉄の格子を銀色の足で蹴破りそこからも また


とにかく走った




建物の見える方向にただ ただ ひたすらに












7/18 23:30


都まで来れた


人に紛れられる、そう思った


奪ってきた食糧が尽きてしばらくが経つ

やっと食べる物にありつけると思った



しかし、このみてくれは嫌でも他人の目に入るだろう



夜に紛れて 関所へと盗みに入り、甲冑と食料を頂戴した


あの場所に比べたら警備も薄く平和ボケしている見張り

そんな者に見つかるハズも無かった







7/27 11:00


町に入って一週間ちょっと  と言っても今日が何日かなんて感覚はもう無い


上から下までフル装備の警備兵が噴水の横でサボっている様に見える


(あっつい  お腹 空いた)


ありがたい事に、ここには公園と言う場所があり水には困らなかった


人目を避ければ水浴びも出来る   けど

向かいのベンチに寝転がる年配者に目をやる


(あの人みたいに物乞いなんてしたら目立ってバレるだろうし)




・・・




(強盗とか したくないんだけどなぁ)





その日の夜


一軒の家に忍び込んだ









7/29 8:00


「号外~~~~  号外~~!」


バレたと思った


咄嗟に逃げ出した





(流石に町を出た方が良いか)



げほ  こほ げほ



(気持ち悪い  お腹痛い   多分 この前食べたモノだろう)





7/31 22:00


(うぅ、お腹空いた)


隙を見つけて関所に入り甲冑は倉庫に戻した



もうこの頃にはろくに動けていなかったのだろう



姿を見られた



そのまま町を出た


人目のつかない森の方へ必死に走った




運良く廃小屋を見つけた







そこからは警護の薄い荷馬車を襲ってやり過ごした










8/10 20:00




しくじった、、


襲撃に失敗した




馬車に撥ねられた





なんとか小屋には戻れた  けど


(頭 背中が、身体が痛い  動けない)







8/14 14:50


もう  ダメかもしれない




全く動かない






(あたしの人生なんだったんだろ)





(くっそ   あいつら  なんなんだよ)





(こんなとこで死んじゃうのか)






(嫌だなぁ虫とか湧くんだろうな  嫌だなぁ   嫌、、)


目には涙がこみ上げる





(ヤダヤダヤダヤダ)


ギシギシ!


小屋が何かの振動で小さく鳴る



激痛の中反応でゆっくりと上半身を起こし目元を拭う





ギギギギギィ


腐った木のドアが軋む音が響く





「誰!?」


眩しい光の向こうから








優しそうな声が聞こえた









「え~と、救難届を頂きまして~」


アルちゃんがはらぺこで臭いとかを気にしてたのはこんな感じでした


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