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転生したのに何も出来ないから、、喫茶店を開いてみた  作者: k
一章

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35/499

33 帰還

本作品は群像劇です、目線、日時にご注意下さい

8/14 20:30



「ただみま戻りまひた」


両頬の腫れた青年がギルドへと戻って来た


「おかえりぃ゛!?って何その頬?大丈夫?戦ったの? え、にゃんこの依頼だったっけ!?」

ジンが食い気味に喋り出すが馬鹿にしている訳では無い

そのまま続けて

「あぁ、でもそれどころでも無くてさ、キーロも驚くぞ!?」

重要書類の話をしようとするも


「すみません大丈夫ですのでちょっと待ってて下さい、、あの、カセンさん!手を貸してもらえませんか?」

いつもの席でまたどれだけ飲んでいるのか分からない赤鬼へと声を掛ける


「ん、あ~おかえり~わたわたしてどうしたんじゃ?」

足元にはやっぱり壺や瓶が並ぶ


だが、泥酔やら二日酔いといった感じの心配は無さそうだ


「、、えと、びっくりするかもなんですが、とりあえず馬車まで来てもらえますか?」


「お~??おん? なんじゃろ?」

カセンは席を立ち

キーロに連れられるままに馬車へと向かう


そして



言葉を失った



それは青年の連れてきた少女を目のあたりにしたからこそ



「な? え?」



キーロが照らすランプの光は馬車全体を見渡せる程に明るい



「な、なんだよ、あんたも同じような反応して~」

食事処の娘にそっくりな少女は下半身を汚い布で覆いながらカセンを不思議そうな顔で睨む


「説明は皆さんの前でしますので、お願いして良いですか?」


「お、お~あぁ そうか」

赤鬼は少女を軽々とお姫様抱っこすると少しの間じっと見つめ


優しく胸元へと抱き寄せる


「え、え えぇ? なぅ  あ、あんた力持ちなんだな?」


「ふふ、あぁ、そうじゃよ」






「え?」


「!?」


「その娘って、、」


ジン、巫女、従者、全員がカセンの抱く少女を見て瞬時に反応した


「な、なんなんだよ? どいつもコイツも同じ顔して」



それもそのはずである



アイリの遺体はここにいる全員が確認後、埋葬、供養までしている為



忘れる筈が無い



「皆さんも驚いたと思います、僕も正直、驚きました  今も信じられない気分です」

キーロがゆっくりと話を始めた



この少女の名前は『アル』


身長は推定163cm程で紺色の髪に薄い紫色の眼

本人曰く17歳だという

見た目、年齢だけでは無く、声も、、何もかもが同じである

全く違うのは太腿ふとももから下

足と言える箇所全部が機械で出来ていると言う点


、、それと、中身だ


言葉遣いが違う

全くと言って良い程、違和感が邪魔をするくらいに違う人間の喋り方である



姿形しか知らない巫女と従者


ニコニコと調子良く、軽快に接客をする態度を知っているジンとカセン


反応は割れるのだが誰しもが不思議なモノを見た表情となった



・・・



少し静かになり


静寂を破ったのは巫女である


「お前は何者だ?」


「え、、ま、まだあんたらを信用出来た訳じゃないんだ、そんな簡単に身分なんて明かさないっての!まずそっちこそ名乗れよ」


「あ?あぁ私は王都大聖堂の巫女シエルだ、めんどくせぇからさっさと喋ってもらえるか?  お前は」




「『人間』で良いのか?」




空気が一気に感じとれる程


ビリビリと張り詰めた


本人らもそうだが、全員

此処に居る全員が思う所のある言葉に緊張を覚える



「な  ぁ  ぁたしは」

覇気のない少女の声に被せる様、キーロが喋り出す

「そんな、急に矢面に立たせるのはどうかと思います!  この子はアイリとよく似ていますけど別人で! どう見ても人間でしょう!」


珍しく声を上げるキーロに従者もフォローに入る


「まぁまぁ、シエル様の言いたい事も分かります(その足の光沢に似たものを見たのは昨日ですし) けれど人間そんなに強い人ばかりでは無いのでもう少し言い方が」


「別人と言う事は分かる  ロリ巫女が警戒するのは自然じゃがそれでも言い過ぎじゃないかの?」

カセンも続けて反論する



「あ?」



明らかに良くない空気の中


一人の男が厨房で音を鳴らす




「えっとさ~あ~俺も一気に情報入って来てちょ~ビビってるんだけどさ~」




ふつふつ、ぐつぐつと言う香りが湧き始める




「腹減ってるからイラつくんだよきっと」


「にゃあ」


「な~?ルトもそう思うよな~」


カチャカチャと手際良く動くジンの足に子猫が頭突きをかます


「えっと、アル?だっけ?先に風呂入る? あ、あ~でもいいや、もうすぐ温まっちゃうし食べてからにすっか、とりあえず顔でも拭きな~ ほれっ!」

ぬるま湯を軽く絞ったタオルを少女へと放る


「ぁ あぁ、うん」


胃を刺す様なスパイスの香りが店内に充満すると亭主は皿を並べ


「お前ら全員一回飯食うぞ! で!俺が話まとめるから!! オーケー?」

しゃもじで人数分の米を盛り始める




鍋には昨日の残り物


シチューがカレーへと変貌を遂げていた



ジンさん、、おかあさんなんだよな~


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