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 チョコレートを湯煎しながらバターと生クリームを混ぜるだけのそれを、ティオヴァルトはなぜか咲也子にはやらせてくれなかった。

 バタークリームはシロップに卵黄を混ぜ、練ったバターに入れるという工程が多い方には特に口を出さなかったのに。不思議だ、と咲也子は首を傾げた。ほかにも【アイテムボックス】から取り出しておいたミルクジャムやイチゴジャムを冷めたマカロンの中に挟み込んで、調理は終了だった。


「お疲れさ、ま-」

「結構大変だな」

「2人いると、楽にできるの、よー」

「まあ分担出来るからな」

「ん」


 苺とココアのマカロンを2つずつ、クッキーを3枚の割合でラッピング用の袋にすべて包んでいく。こうして小分けにしておくと、食べるときにとても便利でなにかお礼をしたいときなどにも素早く渡せるからだ。

 余ったそれらは手伝ってくれたお礼と称してティオヴァルトに進呈した。見かけによらず甘いもの好きなティオヴァルトはぺろりと平らげてしまった。

 あとは使ったものの洗いものと、それを【アイテムボックス】に入れて、今日のお菓子教室は終わった。



「お台所、ありがとうございまし、た」

「あら、いい匂いがしますね。はい、鍵受け取りました。何を作ったんですか?」

「マカロンとクッキーな、の。あと、これ。おすそわけで、す」

「いいんですか? ありがとうございます!」


 夕日の差し込む廊下を通り、冒険者ギルドに来る。こんな時間ギルドいるのは夜に迷宮に潜るか夜行性の魔物を狙っているかのどちらからしく、人はまばらだった。そんなギルドで暇をしていたミリーは、咲也子を見るとすかさず寄ってきた。

 さっそくおすそ分けすると嬉しそうに受け取ってくれた。なぜかしきりに頭を撫でられて頑張りましたね、と労われた。ティオヴァルトには一切なかったが。

 もともとミリーにキッチンルームの鍵を返すこととおすそ分けをしに来ただけだったため、惜しまれながらも止まり木に戻ってきて、いつもの通り夕食を食べる。


「ここからは自由行動な、の」

「明日は8時に集合なんだろ。早めに寝ろよ」

「んー」

「ほら、電気消すぞ」

「ん。ティオー、おやすみなさ、い」

「おう、おやすみ」


 自由行動を言い渡しつつもこっくりこっくりすでに夢の船をこぎつつある咲也子をベッドに寝かせながら、ティオヴァルトは電気を消して、暗くなった部屋を出て行った。


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