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ただいま迷走中!?  作者: 呪理阿
六月 梅雨だろうがどんどん迷走
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89/102

89 餃子の皮で

「あれっ。餃子じゃん」

「違くね? 餃子の皮だろ」

「違うわ。餃子の皮の元よ」

「伸ばす前の餃子の皮……とか」

 なんでもよくね。

 タラッド‐タドだ。

 食堂のテーブルの上にはまな板。ちなみにその下には新聞。

 まな板の上には薄力粉、白くてもちもちしてて、元は細長かったけど一定の大きさで切られてる白いもの。

 その白いものについての、シル、俺、凛さん、忍ちゃんの言葉だ。

「今日餃子?」

「勿論、手伝ってもらうわよ」

「暇つぶしゲット」

 シル、お前普段何やってんだ?

「忍もね」

 忍ちゃんが頷く。

 ……えぇと、このノリなら

「もちろん、タドも」

 だよなー。

「餃子の皮から作るのって、すっごい久しぶりだねー」

「……始めて」

「ミャが居ない状態じゃ、初めてね」

 嫌味っスか、それは。

 忍ちゃんとシルはさっさと始めるから、俺も近くにある白いものを手に取った。

 円く伸ばして、麺棒……ではなく、すりこぎの太い方で伸ばしていく。たしか……中を厚目にするんだったな。

「忍ー、薄いドーナツになってるよ」

 忍ちゃんの奴、それの真ん中に穴が。結構でけぇぞ? 何やった? っつか、なんで気付かなかった?

「…………継ごう」

 塊をもう一つ取って、穴の上に。

「凛さん、特大餃子が一つ出来るっぽいよ」

「あら、それじゃ不平等だわ。大きい代わりに、具と一緒にからしやわさびも包んでおきましょうか」

 つり合い取れてねぇよ。ただの罰ゲームじゃねぇか。

「欲張るとろくな事にならないって、教訓にもなるわね」

「あーよかった、あたし先に知っといて」

 俺もシルと全く同じ意見。

 わさびな。からしな。ちょっとならまぁいいけど、こんなデカい皮に詰め込まれてるんじゃ、ちょっとな……。

「大きいのは何処?」

「コレ……」

 あれ、いつの間に凛さん、詰める係に回ったんだ?

「ありがとう。どれくらいあったかしらね……」

 からしにわさびか? マジで入れるのか……入れるよ、なぁ。しょっちゅう罰ゲームって言ってこんなことあったし。クッキーにねぎを大量に包むとか、わさびを大量に包むとか、しょうがをそのまま包むとか。あれをやってたのはミリアンじゃなくて凛さんの方だったんだな……。

「罰があるならさ、褒美があっても良くない?」

「なら、小さいのはチョコレートでも入れる? 謙虚なご褒美」

 旨いのか? ……っていうか、チョコあったのか?

「チョコは無いから、キッ○カット包もうかしら」

 旨いのか? 多分、タレ付けてから食うよな?

「母さん、栗も入れて」

 忍ちゃんからの要望。栗って、そんな季節はずれなモン……。

「あら、いいわね」

 あったし。普通に棚から出て来たし。

「賞味期限、大丈夫なのか? 普通に切れてね?」

「加熱すれば大丈夫よ」

 切れてるんだな。

「……ところで、タド? さっきから気になってたんだけど、何作ってんの」

「餃子の皮人形。結構リアルじゃね」

 自信作だぜ。

 ま、リアルっつっても、ゆるキャラっぽいモノの人形作ってたからリアルも何もねぇんだけど。

「いや、普通に上手いけどさ……どやって食べるの、これ」

「揚げるとか、焼くとか」

「半生になると思うけど」

「じゃあいっそ、生で」

「……美味しいか?」

 旨くはねぇだろ。

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