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ただいま迷走中!?  作者: 呪理阿
六月 梅雨だろうがどんどん迷走
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76/102

76 猫娘中学生

「んにゃぁ」

「……あん?」

「んなぁ~ん」

「…………叶子ちゃん、どした?」

 今日は猫の日でもネコ科の日でもねぇぞ。

 タラッド‐タドだ。

 学校に来たら、同じ班の四人はすでに来てた。

 ……で、何がどうしてどうなったのか、叶子ちゃんが猫になってた。

「すごいね、タラッドくん! なんで叶子って分かったの!?」

 今更なんだけど、『タラッドくん』ってのは『タラッドくんくん』って意味なんだよなー。別にいいんだけど。

 じゃなくて、なんで叶子ちゃんか分かったか?

「叶子ちゃんにそっくりじゃん」

『どういう意味で!?』

 え? えー……。

「雰囲気とか?」

「猫の雰囲気ってなんだよ」

「ほんわか?」

「ほんわかって?」

「アホっぽい」

「何気に叶子の事馬鹿にしてるよね」

「すいませんでした」

 つい本音が。玲也くん、怒るな。怒るか。

「で、なんでこうなった?」

 叶黒猫を抱き上げてみた。うわ、ふわふわ。あったけー。この季節だから暑い。冬なら大歓迎なんだけど。

「……タラッドー。それ今、抱っこしてんの叶子だからな。後で後悔しても知らねーぜ」

「叶子ちゃんだろうがなんだろうが今は猫だろ」

 それと『後で後悔』じゃなくて後悔な。『後で後になって悔やむこと』ほら、訳分かんねぇだろ。

「で、なんでこうなった?」

 あ、撫でたら喉鳴らし始めた。お前完全に猫だろ。

「叶子はね、満月の日と新月の日と、月食の日に猫になるんだって」

 玲也くん、今何だって?

 狼男猫バージョン? いや、狼男は満月だけだったっけか? あれ、コレは映画で広まっただけだったっけ。

「ほら、金環日食の日も。新月だったでしょ?」

「なってたか?」

 たしか、ちょうど俺がタドの状態で初めて学校に来た日だ。斜め前の席に座ってる奴が猫のになってたら普通に気付くぞ。

「……叶子、休んでたんだった」

 ……あぁ、席空っぽだったな。

「前の満月も、そのまた前の満月も、前の前の新月も、ちょうど土曜か日曜だったからなぁ。同じ小学校の人以外誰も知らないんだ」

 よくそんだけ休み続いたな。

「今日は満月で月食だから猫になったんだ」

 ふぅん。部分月食ってニュースで言ってたっけ。

「で、なんで猫になるんだ? 猫娘か」

「ご名答! おめでとうございます、購買のパン一年分です!」

 いらねぇよ。腐る。かびる。そう簡単にはならねぇか? どちらにせよ別の物にしてくれ。

「叶子はね、猫娘と人間のハーフなんだって」

「……猫娘って、妖怪か何かか? 霊体じゃない?」

「霊体? 全然。普通に人間でも通じるような美人さんだよ、お母さん」

 お化けではないんだな。今度ジンに聞いてみよう。

「何十年か前にこの世界に来たんだって。これって異世界がある事の証明だよね!」

 そりゃあるだろ。無きゃ俺はここに居ねぇんだから。

「叶子ちゃん、お母さんにも伝えとけよ。死神と死神様には気を付けろって」

「んなぁ~」

 ……わかってんのかなぁ?

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