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ただいま迷走中!?  作者: 呪理阿
四月 入学したらさあ迷走
39/102

39 携帯電話って便利 充電がある限り

 ……あれ、テーブルの上に見覚えのない携帯電話が。

 黒くて四角くて、……えぇと、ボタンがあって真ん中で折りたためる普通の奴。

 母さんのは赤いし、父さんのは黒いけどこんな形じゃねぇし……姉ちゃんのかな。いつの間に買ったんだ。

 岳だ。

 姉ちゃんの物らしき携帯を発見。なんでこんなトコにほったらかしてんだよ。……あぁ、コードが繋いである。充電中か。自分の部屋でやれよ!

 ……開いていいかな。どんなのか気になる。いいかな。いいよな。どうせ最初ならそんなに個人情報の何の入ってねぇだろうし。家族だし。

 ぱか。

 ……待ち受け画面からすでにおかしいんだけど。

 待ち受け画面って写真、貼り付けられるじゃん。壁紙とかなんとかそんなので。それに壁紙が写ってる。家の、白くてうっすら四角い模様の入ってる壁紙が待ち受けに設定されてる。

 …………なんでだぁ!

 いくら壁紙だからって、本当に壁紙を壁紙にする必要はねぇだろ! 言ってて訳わかんなくなってくんじゃねぇか! 主に俺が!

 姉ちゃんにこんなこと言ってもしゃぁねぇか。他、何かねぇかな。

 コチコチ弄って、設定の所を開けたらプロフィールってのがあった。開けてみよう。

 名前の横に画像が貼ってある。何だこれ。何の画像だよ。……大きい頭に小さい体の、真っ黒な人形。……怖ぇなおい! もうちょっとマシなモン貼れよ!

 手に引っ掛かって来たストラップを跳ね退けた。で、何かそれが黒いことに気付く。さらに言うと、小さい人形みたいな形だった。

 見てみたら案の定、画像に移ってた人形だった。黒いブードゥー人形。目は赤い糸でできてる。解けかけてんのか元からなのか、糸がほんの少し垂れて、血の涙みたいに……もっと怖ぇよ!

 もうちょっとさぁ……女っぽいの可愛らしいのとは言わねぇから、マトモなの付けてくんねぇかなぁ。血の涙流したブードゥー人形のストラップを携帯に付ける女子高生がどこに居るよ。ここに居るけど。しかも同じ血の流れる姉だけど。

 コチコチっとプロフィール内の別の情報を見てみる。

『血液型:AB型

 誕生日:1997年4月1日

 星座 :牡羊座

 その他:中学の友達に変人って言われた』

 そらそうだ。

 他何見るかな……。コチッと押した先にアドレス帳があった。

 流石にまだスカスカだよなぁー……と、思ってたのに三つ入ってた。

『高山純

 高山父

 高山凛』

 ……なんで父さんだけ『高山父』なんだ。名前父なのか、父さんは。あれ? そういや父さんの名前って何だったっけ。……ホントに父なのか、名前!?

 入ってんのは兄ちゃんと父さんと母さんだけみてぇだなー。

 …………って、あれ!? 兄ちゃん!?

 普通かと思ってスルーしてたけど、なんで兄ちゃんのアドレスが入ってんだ!? っつーか兄ちゃん、携帯持ってたのか……。でも、使えんのか? 電話してみよう。姉ちゃんごめん、ちょっと借りる。

 二、三回コール音がして、繋がった。

 ……えぇええ。電話が死神に通じていいのか!? ホラーだぜある意味。

『……誰だ?』

「兄ちゃん、こういうのって誰からかかって来たのか分かるもんじゃね?」

『あぁ、岳か。忍の黒人形が表示されてるから、誰かと思った』

「姉ちゃんとは考えねぇのかよ!」

『すぐそこに居るから、考えねぇよ』

「は? 姉ちゃんそこに居んの!?」

『人の携帯勝手に使うなー』

 ……姉ちゃんの声がした。

「っつか、そこ何処だよ!? なんで姉ちゃん居るんだ!?」

『霊界。詳しく言うと、死校南西の紫門しもん前』

「詳しく言われてもわかんねぇっつの。何、姉ちゃん死んだのか?」

『別に死んでねぇよ』

「霊界って霊体のモンしか居られねぇんだろ? 幽霊とかお化けとか死神とか」

『……あー、もう、めんどくせぇからそのことについては父さん母さんに聞け。俺に聞くなら切るぞ。で、着信拒否するぞ』

『純兄、拒否られんのあたしの携帯』

『大体なんでテメェ携帯置いて来るんだよ。携帯してねぇじゃねぇか』

『弄ってたら充電切れたんだもん』

『当たり前だ』

 おーい。おぉーい。兄ちゃーん。俺の事無視かー。

「あのさー、兄ちゃーん?」

『あん?』

「なんでこの携帯、兄ちゃんに……っつか、霊界に通じてんだ?」

『メイド・イン・霊界スピリットワールドだからだ。分かったか?』

「霊界産すげぇ」

 異世界との壁もなんのその。壁あるのかどうかは知らねぇけど。

『魔法だの何かの術だのも施されてるからな。流石全てのモノと文化が集まる世界』

「分かった。言い直す。霊界すげぇ」

『誰も言い直せとは言ってねぇだろ』

 そうだな。でも霊界すげぇ。

『そう言えば、俺の渡した教科書読んだか?』

「ん? あぁ……」

『読めたか?』

「なんとなく」

 意味がぼんやり分かるくらいには。

『ん。興味があったら入学するか?』

「………………何処にだよ。死校か?」

『他にどこがある?』

「マジでか!?」

 何がどうしてそうなった!?

『すぐには無理だ。そっちの九月後半に、後期入学試験があるから、まずはそれに受からねぇと。……っつっても、そんなにハードルは高くないから、落ちることはそうそうねぇだろ。俺の時には受ける奴が少なすぎて試験すら無かった』

「うわー」

『で、どうする? 受けるか受けねぇか』

「受ける」

『即答だな』

「霊界に行ってみたい」

『そこかよ。推薦出さねぇぞ』

「推薦?」

『現役五年以上の死神の推薦がねぇと試験は受けられない』

「へぇー」

『適当に日ぃ開けて帰る。それに関してはそん時な。今は充電がもったい無いから切る』

「はぁ!?」

 本当に切られたし……。充電勿体ねぇからって……。

 後ろで姉ちゃんが言ってんの聞こえてたからな!

『純兄、まだ三分の二以上充電残ってるくない?』

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