37 だーるまさんはー、転んでない!
「だーるまさんがー……虫に刺された!」
『かゆっ!』『かゆい、かゆい~!』
「だーるまさんがー」
光です~。
お昼休みに、はーちゃんとみーちゃん、同じクラスの佐紀ちゃんと歩美ちゃんと一緒に、だるまさんの一日をやってま~す。
鬼ははーちゃん。校舎の壁の方を向いて、私たちは走るのです~。すたたたた~。
「だーるまさんがー、宝くじに当たった!」
『きゃっほー!』
なんで皆して『きゃっほー!』が出て来るんだろ~。綺麗にハモったよ~。奇跡的、宝くじが当たるくらいの確率じゃないかな~。
「だーるまさんがー……」
「タッチ!」
私がはーちゃんの背中を叩いて、逃げろ~!
「ストップ!」
一番鬼に近いところに居る人が次の鬼~。交代が素早くできるでしょ?
「あちゃー。歩美だぁ」
歩美ちゃん、行ってらっしゃ~い。
『はーじーめーの、第一歩!』
ぽんっ。一歩、と言うよりも一跳び~。
「だーるまさんがー、旅に出た!」
「行ってきます」
と、何故か敬礼するはーちゃんに
「……ここ、どこ」
迷子になったみーちゃん。
「んっしょ、どっこいしょ」
と、崖を登る佐紀ちゃん。私は~……
「ほわ~、ここがローマか~」
どういう訳かローマに飛びました~。アマトリチャーナ食べた~い!
「だーるまさんがー、こけかけた」
「うぉっと!?」「ひゃぁ!」「きゃ~!」
こけかけの頽勢って維持するの難しいね~。片足立ちだよ~? みーちゃんは足付いっちゃったし~。
「だーるまさんがー、告白した!」
『好きです!』
なんで皆ラブレター渡す格好なの~? 今時ラブレター渡す人なんてそうそう居ないよ~。
「だーるまさんがー、フラれた!」
成就せず~! なんで繋がってるの~。
『うぇーん』「別に好きじゃ無かったし?」「ドッキリ通用せず~!」
左から、はーちゃん&みーちゃん、佐紀ちゃん、私。はーちゃんはともかく、私と佐紀ちゃんはやせ我慢みたいになって無いかな~……。
「だーるま……」
「タッチ!」
佐紀ちゃんがタッチ! 逃げろぉ~。
「ストップ!」
「あぁー。なっちゃった」
佐紀ちゃん、行ってらっしゃーい。
「だーるーまーさーんーがー冒険した!」
「おぉー、凄い、石の洞窟」「じめじめ……」「きゃぁ、コウモリー!」「わぁ~、謎のスイッチ~」
何の遺跡~?
「だーるーまーさーんーがー罠にはまった!」
『きゃぁあああ!』
ポーズからすると~……はーちゃんは落とし穴に落っこちた、みーちゃんはバナナの皮で滑ってこけたのかな~? 歩美ちゃんは転がる大玉に追いかけられて~、私はネズミ取り機に足を挟まれた~!
……地味かなぁ?
ところで、ひょっとしてこれ、繋がってる~?
「だーるーまーさーんーがー助けられた!」
『ありがとうございます!』『何とお礼を言っていいやら……』
「だーるーまーさーんーをー助けたのは実は盗賊だった!」
「金をだせ~」『きゃぁああー!』
私が盗賊役~、他の子は助けられただるまさん役~。
やっぱり繋がってたんだね~……。
「だーるーまーさーんーがー盗賊を倒した!」
『えぇい!』「ぐぁ~」
私倒されるの~? うぅ~、助けてあげたのに~。金出せーって言っただけなのに~。
「だーるーまーさーんーがー懸賞金をもらった!」
「湛えます~」『ありがとうございます!』
私のお陰なんだからな~? ところでなんで私渡す側やってるの?
「だーるーまーさーんーがー、金を落とした!」
「懸賞金ー!」「無い! 無い!?」「がぁーん……」
ざまぁ~。じゃないや、えぇと、私も何か探すふりしてよ~っと。
「だーるーまーさーんーがー警察に行った!」
「あの、懸賞金落しちゃったんですけど」「届いてないですか!?」「落とした、です……」「鞄に穴が~!」
懸賞金落すような穴なんか開かないだろうけど~。
「だーるーまーさーんー……」
「タッチ!」
逃げろ~。
……だるまさん、その後どうなったんだろ~。




