表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
151/151

150 フレディとジーク

何時もありがとうございますm(_ _)m

先程気付きましが、昨日制作中の物が途中で上がってしまい、申し訳ございません……。

加筆修正を行っておりますので、更新は2、3日に一度となります。

ご了承下さいませ。

「白い仮面の者め‼ ことごとく、ベリア様の邪魔をしおって‼ 」


 銀髪の男が叫ぶ。

 前髪が長く、右目を被っているせいで表情が半分しか見えないが、遠目からも端正な顔だとわかる。



 "クリス。やはりここは俺にやらせてくれ。ロッド、いいだろ? "


 "ふん。好きにしろ"



 フレディはロッドの許可を貰うと、宙に浮くクリスティーヌの横へと並んだ。


 クリスティーヌは、え〜ずるい……、と呟きながらも、雑魚は任せて、とウィンクをし、フレディに伝えたのだ。


 フレディは静かに頷き、左腕を抑えながら黒いフードの者達を睨みつけた。


「雑魚がいくら増えようが、変わらん‼ 」


「ジーク。俺がわからないのか? 」


「ん? はははははは。何だ。ただの腰抜けフレディか」


 ジークは高らかに笑い、黒いフードを纏いながら、蔑んだ目でこちらを見ている。


「じゃあ、フレディ。私はあそこらへんの奴等を……」


 クリスティーヌが何時も通りに、()()に取り掛かろうとすると、  魔蟲蝶(ルファーラ)の大群が邪魔をし始めた。


「雑魚が何を言ってるのか失笑する。お前から先に殺してくれる」


 ジークは魔蟲蝶(ルファーラ)を巧みに操りクリスティーヌを一気に包み込んだ。


「ははははは。もう死ぬしかないぞ」


 高らかに笑うジークと、黒いフードの者達はクリスティーヌの性質を知らなかったのだ。


 他の白い仮面の者達も、手を額に当てたりと、やってしまったな、と呟く者もいた。


 クリスティーヌ・ビス・エルノーワ。

 彼女は、歳を重ねても、()()()()()()()()()()()のである。


 ルファーラに包み込まれたクリスティーヌは、一気に燃え上がった。


 ルファーラの燃えかすがパラパラと宙に舞い、地面へとゆっくり落ちる。


 クリスティーヌは、仮面を取り外し、銀髪男ジークへと怒りを現す。


 クリスティーヌの身体から、魔力が溢れ出しているのが目にみてわかるが、ジークは自身の身の危険など微塵にも考えておらず、クリスティーヌを煽る。


「鱗粉を吸ってる時点でお前は終わりだ‼ さっさと魔力が枯渇して倒れるがいい。ゆっくりと俺がいたぶってやる」


 クリスティーヌは額に筋を立て、ながら手に魔力を、込め始める。

 魔力が強過ぎるのか、手に巻かれた包帯は魔力により消えて無くなっていく。


 魔力によって消された包帯の下から出てきた腕には、黒い紋様が絡まるようについている。


「黙って聞いていれば……」


「ま……待て!! クリスティーヌ!! 」


 フレディは慌てて声を荒げ、クリスティーヌを止めようとする。

 だが、フレディの言葉も虚しく後の祭りだ。


 クリスティーヌは、素早く宙に紋様を幾つも描き、一つの魔法陣から、魔獣を召喚させる。


 現れたのは、仔犬程の大きさの魔獣九尾狐ヴェルメの子狐だった。


 ヴェルメは澄ました顔をしたかと思うと、牙を剥き出し魔力を体内に込め、咆哮を上げた。


 ジークの周りに魔法陣が幾つも出現する。


「な……なんだ?! 」


「ヴェルメ、存分に遊んで差し上げなさい。私に向けた言葉を後悔するといいわ」


 クリスティーヌは不敵な笑みを浮かべながら、ヴェルメに命じると、ヴェルメは九つの尻尾を振りかざし、風の刃を編み出し、ジークを八方から切り裂いていく。


 風の刃は次第に大きくなり、周りを囲まれたジークは防御魔法を自身にかけるが既に遅し。


 素早く繰り出される風の刃は幾つも、ジークの身体へと刻まれ、その度に血が舞い散る。

 八つ裂きにされているのだ。


 周りの黒いフードの者達は、ジークがやられている姿を見て、分が悪いと察したのか、後退りを始める。


 だが、クリスティーヌは彼らを見逃す気などサラサラないのだ。


 素早く宙に紋様を描くと、黒いフードの者達の足元に魔法陣を展開させ、一気に発動させた。


 ぽっかりと開いた黒い穴が現れ、一気に黒いフードの者達は落下し、暗闇に消えてしまったのだ。


「捕獲成功ですわね」


 嬉しそうに話すクリスティーヌに、もはや誰も声を掛けることはなかった。

 今の状態だ止めても無駄な事は皆しっているからだ。寧ろ、今止めて不発し後に爆発される事の方が大迷惑なのである。


 五年経ってもクリスティーヌはクリスティーヌのままだったのだ。側では、マリエルがおて上げ状態で、仮面の者達へと合図する。


 昔のクリスティーヌと何が違うかと言えば、魔力が更に上がり、使える魔法も幾つも増えた、と言うところだろうか……


 いつの間にかジークは気を失い、その場へと倒れていた。


 主が倒れると、辺りに舞っていた蝶は消えていくかと思われたのだが、そんな気配はない。


「あら、これは()消えないですわね」


 クリスティーヌはあたりを見渡すが特段変わった様子はなかったのだ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ