第15節
太陽が顔を出し始めた頃、私とアマリリスは海の波を受けとめる堤防に腰を落ち着けていた。
やはり川とは広大さが違う。
波の威力もけた違いだ。
潮の匂いが鼻腔をくすぐる。
嫌いな匂いではない。
「はぐれてしまったが、虎太郎とラービーは無事だろうか」
「きっとな」
私たちは冷たい潮風にあたりながら呟いた。
毛が細かく靡いて、身体を徐々に冷やしていく。
「地図を渡したのはいいが、あいつ、わかるのか」
「頭はいいからたどり着けるだろ。野生の勘も侮れないぜ」
堤防の真横にはバナナみたいに伸びる砂浜がある。
地図通りに行ったから、長老とやらが埋めた宝箱がここのどこかにあるはずだ。
とにかくラービーが来ないことには始まらない。
私たちは日が昇っていくのを眺めながら、ただ待ち続けた。
居眠りしていた私はアマリリスの雑な起こし方で目を覚ました。
「おい警官だ」
ぼやけていた私の視界に、制服を着た警官や作業服の人間たちが捕獲網を準備している光景が映りこんでくる。
「ラービーがこの近くに来たのは確かなようだな」
私は伸びをしてから、浜辺に降り立った。
アマリリスは低空を飛ぶ。
浜辺の奥にある道路沿いには木が植えられていた。
私がその近くを歩いて警官たちの動きを観察していると、どこからか私を呼び止める声がした。
「ここだカフカだ! 君の真上だ!」
あごを持ち上げる。
木の葉の影に隠れているラービーの姿があった。




