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第3節
「?」
「いたか」
「うむ。確かに何かいるな」
黒い影が横切ったように見えた。
だが、それが何なのか確たる証拠は得られない。
「とりあえず、急いでここを進むしかないってことだ」
「そう簡単にいくとは到底――」
私は言葉を切った。
否、切らざる負えなかった。
「お、おい!」
気付けば筏が斜めに傾き、半分が水に浸かる状態になっていた。
私とラービーは必死にしがみつく。
数秒後、ようやく筏は元の態勢に戻った。
「何なんだ一体。何がいるっていうんだ!」
ラービーの叫び声が響いた直後、筏の至近距離の川面から、黒い背びれが突き出るのを目の当たりにした。
地面を穿って進むように、波を引き裂いている。
「こ、コイだ! 騎士団だ!」
私はラービーに尖り声をあげ、オールを掴んだ手に力を注がせる。
「漕げ! がむしゃらに!」
ラービーは頷いて、両腕を高速に動かした。




