第6節
二匹は回復すると、即座に立ち上がって草の鞄を背負った。
「それじゃあカフカ君、また会おう。今度服を新調したら、披露してあげるよ」
エドランさんは乾ききっていない服を脱いで、手に持っている。
夫人は服のことよりも抱いているチョコに鼻を押し付けていた。
「楽しみにしてますよ。あと、おせっかいかもしれませんけれど、連中とも仲良くしてください」
「へっ、騎士団のことか」
エドランさんは露骨に嫌悪感を露わにした。
ここら一帯は、護岸騎士団という守護組織によって取り締まられている。
外部の成らず者からみんなを守るためだ。
その騎士団に許可を得ない限り、家の所有や開拓、貸し出しはできない。
エドラン夫妻はそれに腹をたてていて、いつも彼らに突っかかっていた。
そのうち、貸し出しの許可が降りなくなるのではと心配になるくらいだ。
「最近は特に規制が強くて困ってるのよ。空き場所ならいくらでもあるっていうのに。ここは特に安全なところだから、違うところへ引っ越すのも考え物だし……」
といっても猛犬やヘビなどはいるが、その類は我々の世界において、居て当たり前の存在である。
警戒するべきはもっと他の勢力なのだ。
「奴らの心は冷え冷えのアイスだよ。弱い者のことを考えもしていない。そのくせ身内だけには甘いんだ」
「あぁ、アイスの香りもよさそうねぇ」
夫人は顔をあげて、恍惚の表情を浮かべた。
「まぁいずれにせよ、カフカ君には感謝している。もし居場所に困っている者を見つけたら私らを呼んでくれ。いつでも家を提供するから」
エドランさんは胸を張った。
「あなたたちこそ、聖がつくべき倉鼠ですよ。それと、もう寄り道はしないでくださいね」
「気を付けるわ」
といってエドラン夫妻は足を送り出した。




