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猫のカフカ  作者: キャベツはどうした
二人の背中
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第12節

 次の日も、私は小学校に来ていた。

 今度もアマリリスに持ち上げてもらい、朝の教室内を眺めた。

 彼も陽太たちのことが気になっていたらしい。朝一番に私のところへ来て、小学校に行こうと誘ったのもアマリリスだ。



 しばらくすると陽太が入ってきた。

 やはり、昨日のことで周りからさらにからかわれている様子だった。

 一人の女の子の手を引いて飛び出していくなんて構図は中々見られない。



 陽太はなるべく気にしないように自分の席に座った。

 よく見れば、席の位置が変わっていた。



 全体の席の位置も違うように思える。

 ついに席替えが行われたらしい。



 空乃が入ってきた。

 彼女も変わらず好奇の目を無視して席についた。 



 またどっとクラスの声量が大きくなる。

 陽太の隣の席は空乃だったのだ。



 陽太はため息をつきながら、しかし緊張した面持ちで本を取り出して読んでいた。

 穴だった。



 空乃も本を取り出した。

 彼女が開いた本も穴だった。



 陽太が「え」と空乃を向いた。

 私は耳をすませる。



「スタンリーがゼロを助けられるか、楽しみよね」



 空乃は陽太がめくるページ番号を見やったのか、そういった。

 陽太が慌てて答える。



「う、うん。でも僕にはこの内容、少し難しいかな」

「そう。でもそんな感じでいいと思う。読書なんて」

「これとは違うけど、あのコピー用紙に書かれた物語を読んで、ちょっとだけ考えさせられたんだ。香住がいってたことも、少しだけわかった」



 勇気がないと言っておきながら、あそこまで陽太を動かした結城の物語は痛いと言われながらも、しっかり価値があったのだ。



「まだわたしのこと好きなの?」



 抑揚のない声の質問に陽太は顔を真っ赤にして、それじゃ読めないだろというくらいに、顔を本にくっつけた。

 空乃は不思議そうに首をかしげ読書に戻る。



 今や周囲の声など、二人にとってはただの雑音となっていた。


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