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10:確認条項
今回は短めです。
フレイアの部屋を出て、謁見室へと歩いていく最中、ジローリアスが口を開いた。
「よろしいのですか?」
ジローリアスは何がとは言わない。
後ろに護衛として付き従うマキシマスも何をとは問わない。
ただ自分達が仕える主の言葉を待つ。
「面白そうだからな。」
端正な顔に、くっと口端だけ歪めた顔を久しぶりに見た面々は、これから起こるであろう事に僅かばかり身構えた。
そもそも初めから正妃は決まっている様なもので、他の候補はあくまでも余興的な意味合いが強い。特に、異世界から召喚されたフレイアは余計にそれが濃い。
このまま正妃が『かの方』に決まれば、フレイアが召喚された甲斐はなく、彼女はそのまま後宮に留め置かれるか、他の高官に下げ渡される。
…はずだ。
だが、彼女は自ずと察してか自ら花嫁候補から外れたいと申し出て、陛下御自ら引き留められた。
これが意味するのは一体。
とかく、これから騒がしくなりそうだとジローリアスが密かに眉を顰めた所で、謁見室への扉が開いた。
少しブラック色強めで。