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前世から始まる恋愛章  作者: 柚木(ゆき)ゆきこ@書籍発売中
第2章

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19、事件裏 ブリジット編

前回のお話

ブリジット助かる

侯爵はお縄についた

 さて、事件は一旦終わりを見せたが、何がどうなっているのか分からなかっただろう。フランシスとブリジットは王宮にある一室で何が起こっていたかを聞いていた。


 実はブリジットはこの王宮にくる前々日の夜に、このような事件が起こる可能性があると言われ、王宮には出向かないよう伝える、とフランシスから話をされていた。

 しかし彼女は役に立つなら、と囮役を買って出ていたのだ。最初はフランシスも危険だと反対していたのだが、なぜか一歩も譲らない頑固な彼女に最終的に折れたのだ。

 正直彼女もここまで粘った理由が分からなかった。けど、全てが終わったあとに考えると、公爵の役に立ちたい、と思っていたからだと感じていた。

 ちなみにその時に渡されたのが、3種の魔法が使える魔道具の腕輪だ。


「馬車が時刻通りに来なかったため、ブリジットとモニカの腕輪につけていた追跡魔法がどこにあるかを確認した。そしたら二人が違う場所にいることが分かった。」

「だから旦那様は私が攫われたことを知って、ジョエルさんと一緒に別行動を起こしたのですね」

「そうだ。ついでに言うとポスフォード侯爵家にある魔道具はある程度把握していた。その中に他者の目の映像をみることができる魔道具と姿を変える魔道具も持っていることが分かった」

「……つまりあれはフランシス様に見せかけた違う方、と言うことでしょうか」

「正確に言うと、王家の禁忌魔道具を使用して他人を俺に見せた、が正しい」


 王家にはもちろん使用許可は得ていた、と話すフランシス。彼もいつも以上に喋っているからか、紅茶のカップによく手が伸びていた。

 ブリジットは改めて話の整理をしていた。ポスフォード侯爵は馬車を襲わせたあと、ブリジットを攫った上で誰かを偽のブリジットに仕立てて、本物と入れ替えた。同時にフランシスも自身を入れ替えて、フランシスが偽ブリジットの近くにいることを認識させて侯爵の油断を誘った、と言うことだろう。


「ついでに言うと、侯爵の使っていた影の存在も知っていた。その影はの対応は部下に任せたのだが、いいタイミングで仕留めたようだったな。」


 そしてジョエルとフランシスと数名の部下が、侯爵家にたどり着き王家の証文ーーポスフォード侯爵の許可なしで、屋敷内を捜索する権利が与えられている、を執事に見せつけたところ、執事が戦いを挑んできたのだそうだ。

 戦いを挑んでいる間に他の使用人がドアの施錠を行ったらしいが、人質であるブリジットのこともあり、範囲魔法を使ってドアを開けたのだそうだ。


「爆発音がしましたが……旦那様の魔法だったのですね」

「ああ。もう少し事を穏便に済ませるべきだったと今は反省している」


 穏便に済ませられなかった理由は、ブリジットが心配だったからなのだが、彼女はそのことに微塵も気づくことはない。


「しかし、本当に無事でよかった」


 安堵したフランシスの表情はまるで氷が溶けて春の訪れを感じるような穏やかさだったーーブリジットは顔を少し赤くして、胸が少しだけときめいていることに気づいたのだった。

もう一人の被害者のお話を挟んで、新章となります!

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