8 おお!?
「⋯⋯と、言うのは冗談で、先に言った2つはともかく、着信履歴は仕方ないじゃろ?」
エンドラが若干の焦燥を見せながら弁解する。
「⋯⋯⋯⋯ああ、そうだな。まさか、ロックを解除されるとは思わなかった」
幾分か落ち着きを取り戻した魔王が頷いている。
⋯⋯? どういうことだろう。
「なんだ? ふたりで計画していたのか? フローラさんへの何かを」
「いや、違う。エンドラには、俺が作ったある薬の被験者になってもらっていたんだ」
「被験者⋯⋯?」
俺にはあまり縁のない言葉だな。
「そう。この薬の被験者だ」
そう言って、魔王は懐から小さなカプセル型の薬品を取り出した。
「そら、こいつが完成品だ!」
魔王がエンドラに向かってぶん投げる。
「あむっ!」
エンドラは、飛んできた薬を口で受け取り、そのまま噛み砕いて飲み込む。
「うお!?」
ボワンッと、エンドラの身体から煙が発生した。一体何になるというのだろう!?
「おお⋯⋯どうじゃお主ら!」
煙の中から出てきたのは⋯⋯エンドラによく似た美少女だった。
「「「⋯⋯誰?」」」
俺とシルフと夏蓮が疑問符を頭の上に浮かべる。
「ふぅむ⋯⋯完璧だな! 副作用で見た目が少し幼くなるが、それ以外は目立った欠点はなさそうだし」
「うむ! 儂からみても、見た目以外別段変わった事もないな!」
「やりましたね! ふたりとも!」
そこで俺達は気づく。魔王が作っていた薬の効果を。
⋯⋯竜は、人型になれるが、どうしても尻尾と角が残ってしまう。だが、眼前の少女にはそれらがない。
つまり、このふたりは今まで、
「竜が完璧に人になれる薬を作っていた⋯⋯?」
「ああ、そういうことだ」
「⋯⋯は〜⋯⋯⋯⋯」
なんとも言えないため息が口から出る。
「と、言うことで! 俺達は決してやましいことはしてないからな!」
「そうじゃそうじゃ!」
⋯⋯ふたりが何か言っているが、ノーコメントでいこう。
「まぁいいや、それで魔王はどうするんだよ? 俺達の口からフローラさんに説明すればいいか?」
「いや、お前達にはこれから言うことを頼まれてもらいたい」
「? まだ何かあるの?」
「おう」
これ以上、何があると言うのか。⋯⋯あんまり面倒なものじゃないといいんだが⋯⋯。
「いやいや、簡単なことだ。フローラに魔王城でサプライズパーティーを開きたくてな⋯⋯ほら、俺がコソコソ何かしてるとバレちまうだろ?」
「なるほど⋯⋯」
それは一理あるな。恐らく、フローラさんは魔王の城内での動向は常に把握しているだろうからな。
「じゃ、今日はもう解散でいいか? ふわぁ」
シルフが眠そうにあくびをする。うん、俺ももう眠い。
「おう、細かいことはまた後で送っておくから、頼んだぞ」
「うい⋯⋯レンがちゃんとやってくれるだろうから、楽しみにしてろよ」
「いや、翔太も手伝ってよ!?」
「そいじゃ、また」と言って、俺達はその場を去ったのだった。
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