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魔王城へようこそ!  作者: 大和(大)
「浮気調査」編
88/233

8 おお!?



「⋯⋯と、言うのは冗談で、先に言った2つはともかく、着信履歴は仕方ないじゃろ?」


 エンドラが若干の焦燥(しょうそう)を見せながら弁解する。


「⋯⋯⋯⋯ああ、そうだな。まさか、ロックを解除されるとは思わなかった」


 幾分(いくぶん)か落ち着きを取り戻した魔王が頷いている。

 ⋯⋯? どういうことだろう。


「なんだ? ふたりで計画していたのか? フローラさんへの何かを」

「いや、違う。エンドラには、俺が作ったある薬の被験者になってもらっていたんだ」

「被験者⋯⋯?」


 俺にはあまり縁のない言葉だな。


「そう。この薬の被験者だ」


 そう言って、魔王は(ふところ)から小さなカプセル型の薬品を取り出した。


「そら、こいつが完成品だ!」


 魔王がエンドラに向かってぶん投げる。


「あむっ!」


 エンドラは、飛んできた薬を口で受け取り、そのまま噛み砕いて飲み込む。


「うお!?」


 ボワンッと、エンドラの身体から煙が発生した。一体何になるというのだろう!?


「おお⋯⋯どうじゃお主ら!」


 煙の中から出てきたのは⋯⋯エンドラによく似た美少女だった。


「「「⋯⋯誰?」」」


 俺とシルフと夏蓮が疑問符を頭の上に浮かべる。


「ふぅむ⋯⋯完璧(かんぺき)だな! 副作用で見た目が少し幼くなるが、それ以外は目立った欠点はなさそうだし」

「うむ! (わし)からみても、見た目以外別段変わった事もないな!」

「やりましたね! ふたりとも!」


 そこで俺達は気づく。魔王が作っていた薬の効果を。


 ⋯⋯竜は、人型になれるが、どうしても尻尾と角が残ってしまう。だが、眼前の少女にはそれらがない。


 つまり、このふたりは今まで、


「竜が完璧に人になれる薬を作っていた⋯⋯?」

「ああ、そういうことだ」

「⋯⋯は〜⋯⋯⋯⋯」


 なんとも言えないため息が口から出る。




「と、言うことで! 俺達は決してやましいことはしてないからな!」

「そうじゃそうじゃ!」


 ⋯⋯ふたりが何か言っているが、ノーコメントでいこう。


「まぁいいや、それで魔王はどうするんだよ? 俺達の口からフローラさんに説明すればいいか?」

「いや、お前達にはこれから言うことを頼まれてもらいたい」

「? まだ何かあるの?」

「おう」


 これ以上、何があると言うのか。⋯⋯あんまり面倒なものじゃないといいんだが⋯⋯。


「いやいや、簡単なことだ。フローラに魔王城(うち)でサプライズパーティーを開きたくてな⋯⋯ほら、俺がコソコソ何かしてるとバレちまうだろ?」

「なるほど⋯⋯」


 それは一理あるな。恐らく、フローラさんは魔王の城内での動向は常に把握しているだろうからな。


「じゃ、今日はもう解散でいいか? ふわぁ」


 シルフが眠そうにあくびをする。うん、俺ももう眠い。


「おう、細かいことはまた後で送っておくから、頼んだぞ」

「うい⋯⋯レンがちゃんとやってくれるだろうから、楽しみにしてろよ」

「いや、翔太も手伝ってよ!?」


 「そいじゃ、また」と言って、俺達はその場を去ったのだった。



ここまでお読みいただきありがとうございます!

感想、誤字脱字の指摘はお気軽にどうぞ。


次回からはとばしていきますよ!(投稿は1日休みますが……)


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