幕間 ギムギスさんの怖い(?)話
少し男性陣について掘り下げようかと。
「暇だな⋯⋯おいギムギス、ちょっと面白い話でもしてくれよ」
「いや、私は今忙しいんですが?」
魔王が忙しなくデスクで手を動かしているギムギスさんにちょっかいを出している。
「翔太さん達がいるんですから、向こうで遊んでて下さい」
しっしっと、心底嫌そうな顔で手を振るギムギスさん。⋯⋯魔王が子供扱いされてるな。だが、今回は魔王もなかなか引き下がらない。
「いやいや、社長として仕事に明け暮れるのもいいけど、たまには翔太達とも話しておくべきだと思うよ。うん」
そういえばギムギスさんはこの世界のどっかの会社の社長なんだったっけ。経済に影響を及ぼす人物トップ10に入るくらいの偉人、それがギムギス・シードという男なのだそうだ。
そのギムギスさんに敬語を使わせている魔王は半ニートなんだけど⋯⋯。
「はぁ⋯⋯分かりました。では、1つだけ話をしましょう」
「やったー!」
「「お、おおー!」」
魔王の異様に高いテンションに合わせて俺達も調子を上げる。
「ところで、翔太さんの世界は今、夏なんですよね?」
「え? ⋯⋯は、はい」
たまらなく嫌な予感がしたが、正直に答えておく。
「なら、怖い話でもしましょうか⋯⋯」
そう言ったギムギスさんの顔は不敵に笑っていた。
「ある男がいました。
極々普通の体格の男性です。
その男はある日、見知らぬ幼女から声をかけられたのです。
『学校はどこにありますか?』
⋯⋯と。男は丁度その時、時間に余裕があったので、親切心から最寄りの学校へ案内をしました。
案内し終えたあと、少女は
『ありがとう』
と言って学校へと駆けていきました。
⋯⋯ですがその時、男の肩に手が置かれたのです。
そして、こう言いました⋯⋯
『あのー、お兄さん。ちょっといいかなー、俺達⋯⋯こういうものなんだけどー』
⋯⋯と。以上です」
「ぬあああああぁぁぁぁぁぁぁ!!!! 翔太には話さないでいたのにぃぃぃぃいい!!!!!!」
魔王の絶叫が響く。恐怖からくるものでは微塵もないが。
「あ⋯⋯これ、魔王の体験談なのか」
「みたいだな」
「はあ⋯⋯」と深いため息を吐く魔王の腹心。⋯⋯この人も大変だったんだろうな。
「⋯⋯では私は仕事に戻ります。魔王はしばらくしたら勝手に立ち直りますから、お気になさらず」
「あ、はい。わかってます」
ギムギスさんはニッコリと笑顔をこちらに向けてから、自身の机上に目を戻した。
さて、どうしたものか。
「だって⋯⋯酷いじゃん。俺なんにもしてないのに、騎士団が来るなんて⋯⋯」
足元ではまだ魔王がブツブツと言い訳じみたことを呟いている。
(翔太も気をつけろよ⋯⋯こんな風になったら終わりだからな)
(わ、わかってるよ!)
少し同情する気持ちもあったが、騎士がわざわざ尋ねるくらい日頃の言動が酷かったのだろうと思うと、途端に興味が薄れていった。
俺達がフローラさんに呼ばれたのは、それからすぐのことだった。
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感想、誤字脱字の指摘はお気軽にどうぞ。
昼になってしまいましたが、夜中よりは健全ですよね!
それでは!




