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魔王城へようこそ!  作者: 大和(大)
『土の賢者』編 第4章
75/233

8 口が滑って、手が滑って



「⋯⋯ふぅん。そんなことがあったんだ」


 会場を散策しながら、俺は渋々式典前にあったことを話した。「なんで俺の口からこの話を⋯⋯」なんてことは言えなかった。


「ボクから言うのもなんだけどさ、覚えてるよね? 春休みにキミが言ったこと」

「うっ⋯⋯⋯⋯」


 それを掘り返されるとちょっと困る。



 春休み。

 俺は夏蓮交えた友人達のちょっとした面倒事に巻き込まれた。

 その時に俺が夏蓮を説得するために言ったことを今覚えいるか、と()かれている。



「も、もちろん覚えてるよ」


 あんなやばい発言は忘れたくても忘れられない。


「なら、試しに言ってみてよ」

「え? ⋯⋯え?」

「おお、それは私も聞いてみたいな」


 夏蓮の希望にシルフも乗っかってきた。⋯⋯嘘だろ。


「えーと、『お前の背ぐらい俺が余裕で超えてやるよ』⋯⋯だったかな⋯⋯」

「そっちもあったけど、もう1つあったよね?」

「もう1つあるのか。そして翔太はまだレンを超えられてないな」


 シルフが痛いことを付いてきた。⋯⋯が、そんなことは今はどうでもいい。

 ⋯⋯え? 本当に言わなきゃダメ?


「ぷっ⋯⋯冗談だよ。流石にボクの方も恥ずかしくなるし」

「あ、ああ。そういう⋯⋯」

「なんだ。言わないのか⋯⋯残念だぞ」


 よかった。


 ⋯⋯冷や汗をかいたせいか、喉が乾いてきた。


「ちょっと飲み物買ってくるわ」

「うん、じゃあここで待ってるね」


 夏蓮と別れて、俺は駆け足気味で飲み物を売っている店を探す。


「「すいません⋯⋯あ、」」


 俺と同時に店員さんに声をかけた者がいた。そいつはどういうわけか、1人だった。まあ俺が言うのもなんだと思うが。


「コレット?」

「あ⋯⋯翔太」




「いやー、驚いた。まさかおじいさんと別れてたとは」


 俺はなんとなくコレットと来た道を戻っていた。


「まあ、あの人とはこれから話す機会が何度もあるから」

「ふむ、また私達が駆り出されそうだな」

「げっ⋯⋯確かに」


 と、話しているうちに夏蓮と合流した。


「あれ? コレット?」

「あ、レン。翔太と一緒だったんだ」


 ああそうか、この2人は魔王城で話したことがあったんだっけ。


「じゃあ(あたし)はこれで⋯⋯」

「せっかくだからコレットも一緒に回ろうよ」


 コレットは夏蓮と俺を交互に見てから、


「⋯⋯いいの?」


 少し申し訳なさそうに訊いてきた。


「いいよいいよ。⋯⋯コレットがいなくてもシルフは必ずいるし」

「ああ、それもそうね」

「? 私がどうかしたのか?」

「なんでもー」



 かくして、両手に花の状態で、巡ることとなった⋯⋯と思ったんだが、この状態は長く続かなかった。


 それは、俺が反射的に通行人の女性の胸をチラ見してしまった時だった―――。






「そういえば、翔太は()()()()()が好きなんだよな。時空龍に近寄られて式典の時も嬉しそうだったし」


 シルフ、なぜに今その話を振る。


「翔太⋯⋯それ本当?」

「そういえば、そんな感じだったような⋯⋯」


 ほら見たことか。どことは言わないが、小さい2人からの批難の目が痛いのなんの。


「いや⋯⋯そ、そんなわけないだろ!」


 確かに、チトセが近くてちょっとたるんでたかもしれないけど。それでも俺は全力で否定する。


「⋯⋯⋯⋯」

「⋯⋯⋯⋯⋯⋯」


 それでも2人の疑いの目は変わらない。


「私は本来の姿に戻ればもうすごいのなんのだからまあ、いいな」


 シルフがフォローどころか嫉妬(しっと)されそうな発言をしている。


「ああもう! レンには言ったけど、今小さいなら、()()()()()()()()()()から、問題ないだろ!?」


 気まずい空気をなんとかしようとして、思わず言ってしまった。あの時夏蓮に言った一言を。


「⋯⋯! 馬鹿ぁぁぁぁ!!!!」

「ンが!?」

「ちょ、ちょっとレン!?」


 夏蓮が俺を殴って、駆け出して行ってしまった。それをコレットが追いかける。


「⋯⋯⋯⋯やっちまった」

「翔太、今のは多分セクハラっていうやつだぞ」

「うん、ですよね」


 今日は色々ありすぎて頭がおかしくなっているのかもしれない。



 とりあえず、後で謝っておこう。



ここまでお読みいただきありがとうございます!

感想、誤字脱字の指摘はお気軽にどうぞ。


こんな時間になってすみません!


あと、翔太は最後までDTのままにしようと思ってます。……え? DTってなんの略かって?

誰 と も 付 き 合 わ な い


……失言、失礼しました。それではまた次回!

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