5 予期せぬ対面
今回はあんまり戦いませんでした。
「⋯⋯あれ?」
気がつけば、真っ白な世界にいた。右も左も、地面も天も真っ白な世界だ。
「あちゃー、やっちゃったね」
目の前には当然チトセがいた。⋯⋯どういうことだろう?
(ええと、俺は確か⋯⋯⋯⋯)
あ、と間抜けな声を出してしまった。同時に、全身にえもいわれぬ悪寒が走った。まさか
「もしかして俺⋯⋯」
「うん、死んだよ」
「正確に言うと肉体は、だけどね」と付け足される。いつも通りの口調だが、チトセの目は笑っていなかった。
「はぁ⋯⋯状況的にどうしようもなかったんだろうけど、もっと気をつけてよね」
「あ、うん⋯⋯ごめん」
心配されているとわかり、少し申し訳なくなる。
「それで、これから戻ってもらうけど。その前に枷を外すね」
「枷?」
「うん、これで翔太君は物体のみの転移ができるようになるよ」
ほほう。とりあえず、熱が冷めないうちに戻ろうか。
「それで、条件は?」
「翔太君が所有権を持ってる物、そしてなおかつ位置を把握している物⋯⋯だね。あ、人はまだ無理だと思うからそれは気をつけてね」
むむ、意外と制限があるのか。⋯⋯まあ、それでも十分便利なんだが。
「それじゃあ⋯⋯行ってらっしゃい」
「うん、行ってきます」
チトセがパンっと柏手を打つ―――
―――その瞬間、
(翔太! 大丈夫か!?)
(⋯⋯今、戻った)
俺は地面に仰向けになって倒れていた。
(俺が死んで、どれぐらい経った?)
(? 今は翔太が死んですぐだぞ。だからコレットが⋯⋯)
そこから先は言わなかった。自分で確認しろということだろう。
コレットの方を見ると、
「⋯⋯⋯⋯」
膝を折って、地面を見つめていた。
「コレット、大丈夫か?」
「⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯え?」
俺は彼女のすぐ側に瞬間移動し、自然な調子で話しかける。
「な、なんで!? どうして!?」
うーん、どう説明したものか⋯⋯。
「いや、今はそれどころじゃねえな。さっさと試練乗り越えて、祭りに戻ろうぜ」
「で、でも⋯⋯⋯⋯」
そんなすぐには切り替えできないか。まあ無理もない。俺だってコレットの立場だったら動揺してしばらく動けないと思うし。
その間にも、チャイドから岩塊がものすごい勢いで送られてくる。
「俺が、お前を置いて死ねるかっての! さあ、成長の時だコレッ―――とぉぉおおおお!?」
うおお!! なんか岩塊の大きさが格段に増した!?
「そろそろお終いにしようカ!」
「⋯⋯だそうだ! ていうか、ぐずぐずしてると、また俺が死ぬんだけど!?」
コレットが「ハッ!?」と我に返った様子で、
「わ、わかったわ! あ、私は何をすればいいの?」
「おう、コレットは⋯⋯⋯⋯」
俺が彼女に言えることは一言だけ⋯⋯
「いつも通りで頼む!」
ぬぬぬ⋯⋯!! お、俺もう潰れそうなんだけど!?
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